韓経:韓国の中小企業「12年の執念」…中国BYD電気自動車に納品成功

  • 2016年8月24日

世界最大の電気自動車企業である中国BYDに、韓国内のある中小企業が道をつけた。BYDの電気自動車用リチウム2次電池の核心素材の1つである分離膜の納品に成功した。研究開発に乗り出してから12年で米国セルガード(現旭化成)、日本の東レなどグローバル大企業の隙間をかいくぐって実現した成果だ。

CSテックのバン・ジョンウォン社長は23日「BYD電気自動車用バッテリーに入る分離膜の50%を供給することで先月契約した」として「今月、最初の納品後に供給量を着実に増やしていく計画」と明らかにした。分離膜はリチウム2次電池内部で陽極物質と陰極物質が混じって爆発・発火するのを防ぎリチウムイオンだけを通過させる役割をする。リチウム2次電池の原価の約17%を占める。

BYDがグローバル企業を抜いてCSテックを分離膜の最大供給社に選定したのは、この会社の技術力を高く評価したためという分析が出ている。BYDは昨年6万1772台の電気自動車を販売して米国テスラを抜きグローバル販売1位を記録した。販売量が急増しながら優秀な部品と素材を安定的に供給されることが重要だった。

バン社長は「江原道原州市(カンウォンド・ウォンジュシ)の工場の生産設備を増設して年2000万平方メートル水準の分離膜生産能力を来年までに5000万平方メートルに増やすことにした」として「BYDの納品だけでも年300億(約27億円)~400億ウォンの売り上げになるだろう」と話した。

CSテックがセルガードなどグローバル企業と中国内のローカル企業を抜いてBYD内で最も多い分離膜物量を確保した理由は簡単だ。品質の良い製品を大量生産できる技術を備えたためだ。

分離膜は厚さ3~4マイクロメーター(1マイクロメーター=100万分の1メートル)の薄いフィルムに0.01~1マイクロメーターの微細な穴をあけて作る。穴を一定に多くつくりながら耐久性を備えるのが核心だ。穴が損傷すれば裂けやすく、むやみにたくさんあけてもいけない。

CSテックは製造方式からして従来の主要企業とは違った。業界で多く使う湿式ではなく乾燥式を選んだ。ソルベント溶剤を使わずフィルムを広げて破るように穴をあける乾燥式は、価格が安く耐久性が良くて環境に優しい。だが穴をこまかく均一につくるのが容易ではないというのが短所だった。

バン・ジョンウォン社長が初めて分離膜の製造に参入したのは2000年代初めだった。バン社長は「市場を独占していた日本企業の特許権を避けて独自の分離膜製造技術を確保するために、新たな設計を適用しながら多くの試行錯誤を経た」と話した。

バン社長は圧力を加える方式を2回に分けて穴の均等度を高めることに注力した。穴が一定でなければどちらか一方にリチウムイオンが集まってバッテリーの安定性が低下するためだ。2004年に会社を設立した後、約6年間装備を直接設計して製作を数十回繰り返した。フィルムに穴が一定にあけられる最も適合した圧力と温度を知るために数千回の実験を経た。

成果は2011年からあらわれた。CSテックの分離膜を調べたBYDがベンダー登録を承認した。だが実際に納品契約の話が初めて出てきたのは2014年だ。BYDはこの2年間、新技術である乾燥式分離膜製造技術の有効性と製品性能試験を細かく点検した。品質と価格が競争企業よりも優れていることが立証されるとすぐに新規ベンダーであるこの会社に物量の50%を一気に集めた。

バン社長は「新しい製造方式なのでBYDを納得させて品質を立証するのに少なくない時間が必要とされた」として「BYDのほかに新規顧客を追加で確保し、グローバル2次電池素材企業として成長する」と話した。