韓経:【社説】誰も国家の未来を考えないという現実=韓国

  • 2016年8月23日

国家の長期ビジョンや目標を提示するなど国家の長期戦略を立てて考える主体が消えているという。昨日から韓国経済新聞が始めた連載「大韓民国、国家ブレーンがいない」シリーズによれば政府・中央銀行・国策および民間研究所の誰も長期戦略や目標について話さないでいる。かつて政府主導で経済開発計画を立てて国策・民間研究所が競争的に戦略を提示して研究していた風土が消えつつあるという話だ。

こうした流れは韓国社会で民主化が進んだことに伴う自然な結果だという側面もなくはない。もはや国家の目標はどの政党が執権するかによって変わるほかはない。選挙で政権が交代すれば政府与党のビジョンと公約が国家発展の目標になる形だ。それでも国家ビジョン自体が全く必要ないとは言えない。何より低成長や少子化・高齢化など未来を左右する課題が山積しているが、何の対策も計画もなしに手放してばかりはいられない。政府主導ではなくても民官いずれもこのような問題をめぐって自由な診断と展望を出して解決策について活発な意見陳述も行われなければならない。

問題は政治だ。政治の影響力があまりにも強くなりながら官僚も各種研究所の専門家たちの誰もが口を閉ざしている。話す自由は政治家だけにあって、ややもすると政治的論争でも呼ぶのではないかと心配するのが今の社会風潮だ。政治もそうだ。長期的な価値よりも執権と当選を目標にするアマチュアレベルのアイデアが乱舞することになる。そうやって政策主導権が政治に渡りながら大学も知識人も国策研究所も声を失っている。

民間研究所もあまり異ならない。サムスン経済研究所が2012年から成長率・物価などマクロ経済の展望をしないのもよく調べれば同じ流れだ。わけもなく混乱の素地を提供しないということだ。さらに韓国銀行の金利決定にさえ政界はもちろん一部メディアまで加勢して圧力を加える場だ。このような形で誰も所信を持って国家の目標やビジョンを言わない。政治が国家の頭脳までマヒさせている。