韓経:【取材手帳】韓国に来て創業大会開く中国

  • 2016年8月22日

大学卒業後、災難関連のスマートホームセンサースタートアップ(新生ベンチャー企業)をつくったイム・ジュンヨン代表(エスオーティーシステムズ)が17日、記者に連絡してきた。中国上海市が韓国で創業コンテストを開くという韓国経済の記事を見てのことだ。「地震が起きれば振動を感知してガスバルブなどをしめるセンサーを開発したが、自然災害が多い中国でチャンスを模索したい」と話していた。

イム代表のほかにもいろいろな所のスタートアップから問い合わせがきた。大会の韓国主管社は初めての大会であるだけに国内予選参加のスタートアップを10社程度にしていたが、20社以上のスタートアップが志願してきた状態だ。

大会に志願したスタートアップはほとんどが中国市場攻略に具体的な戦略があった。サムスン電子社内ベンチャー育成プログラムから出発して5月に独立したウェルト(WELT)は内蔵センサーを着用した人の腰回りや歩行数、過食の有無を測定するスマートベルトの販路を切り開くために参加した。すでに米国に販路を見出した中で今回は中国事業の足がかりをつくるという計画だ。

美容医療機器スタートアップのスキンレックスは中国進出を打診して失敗した経験がある。今回の創業大会に入賞すれば過去の失敗を教訓に再び中国市場開拓に出る予定だ。

事業初期段階のスタートアップが中国市場進出を推進する姿は、韓国である程度成功した後に海外進出を模索していたこれまでの企業とは違う点だ。韓国内の投資が少なければ活動拠点としてあえて韓国に固執すべき理由も少ない。条件さえ保障されれば、どこででもビジネスができることを望んでいる。創業者が国家と市場を選択する時代が訪れたのだ。

このようにして出て行ったスタートアップが中国に定着して雇用と付加価値を創り出せば、創業者の国籍は韓国でも会社は中国の企業とみることができる。上海など中国の地方政府がお金をかけて外国のスタートアップを支援すると乗り出した理由だ。こうした中で韓国のスタートアップ政策は国内にとどまっている。中国のように海外の有望なスタートアップを国内に輸血して創業生態系の躍動性を高める方法も検討する必要がある。