カジノ論争でクルーズ事業“漂流”…1兆ウォン市場、日本・中国に奪われる恐れも

  • 2015年5月28日

韓国の海洋水産部が推進しているナショナル・フラッグ・キャリア(以下フラッグキャリア)のクルーズ船会社の導入案が漂流している。クルーズ船カジノに内国人(韓国人)を出入りさせるかをめぐって部署間の対立が大きくなっているためだ。

海水部は「海外の船会社と競争するには内国人の出入りが必要だ」と主張する一方、主務部署である文化体育観光部は「国民の射倖心を助長する」と反対している。国内で唯一の内国人出入りカジノである江原(カンウォン)ランドも文化体育観光部と同じ立場だ。海水部の関係者は「クルーズ産業は2020年まで1兆ウォン(約1100億円)規模の市場を形成すると予想されている高付加価値サービス産業」としながら「政府内の不協和音が続けば、この市場を日本・中国などに奪われる恐れがある」と憂慮した。

◆「快速成長」アジア市場

アジア地域のクルーズ産業は急速な成長の勢いを見せている。2008年に43万人水準だった観光客は2013年には137万人に増えた。2020年には700万人を超える展望だ。韓国はこの市場から疎外されている。昨年アジアクルーズ観光客の中で韓国人は1万6000人余りに過ぎなかった。中国(69万人)や日本(12万人)と比較するとヨチヨチ歩きの水準だ。韓国にクルーズ観光客が少ないのは韓国の港を母港とするクルーズが1つもないためだ。中国はフラッグキャリアのクルーズ船会社2社と米国・イタリアなど外国クルーズ会社が上海などを母港として運航している。日本も4つのフラッグキャリア会社と米国の会社などが近海を運航中だ。

◆「内需拡大の効果大きい」

クルーズ産業の核心は母港とフラッグキャリアのクルーズ船会社だ。今は中国や日本から出発した外国クルーズが仁川(インチョン)・済州(チェジュ)など韓国の港に停泊すれば搭乗客が半日程度の市内観光をして離れるのが一般的だ。韓国クルーズがスタートすれば、このような観光需要はもちろんクルーズ運賃や船内で使うお金もすべて韓国企業に入ってくる。韓国人観光客が大幅に増えて内需拡大の効果も期待できる。

海水部は今年中に条件の合う支援企業にフラッグキャリア船会社の免許を渡して来年上半期から本格的に事業を始めるようにするという方針だ。だが現在のところは日程が不透明だ。内国人のカジノ出入り論争が困難に陥ったためだ。船上カジノの射倖心が必要以上に浮き彫りになっているという指摘も出る。クルーズカジノは数十万ウォン以上の船賃を出した人だけが出入りできる。それだけ対象者も少ない。家族単位の観光客が大部分なので賭博だけに没頭することも難しい。

鄭ウェイ航中国クルーズヨット産業協会会長は「ラスベガスやマカオとは違い、クルーズ船上のカジノは一種の娯楽とみるべきだ」として「船が運航している間、1~2セントの小額で楽しむためギャンブルにはまる観光客はごく少数」と話した。

◆「15年後には中国が米国抜く」

韓国政府が不協和音を出している間に中国や日本の政府はいち早く活性化対策を出して観光客を呼び集めている。日本はインドネシア、フィリピン、ベトナムに対してビザ免除を推進する一方、「クルーズ・ワンストップ窓口」などを通して外国の船会社が日本国内でクルーズ関連の行政手続きを一括処理できる案もつくった。

中国も「クルーズ持続発展のための政府方針」を出して制度的支援をしている。チョンジェイハオ中国クルーズヨット産業協会副会長は「現在の傾向のまま行けば2030年には米国を抜いて中国がクルーズ産業利用率1位になるだろう」と見通した。