韓経:【コラム】中国メディアの分別なきTHAAD報復論(1)

  • 2016年8月16日

人民日報と環球時報が「THAAD配備を阻止するために韓国に経済報復を加えよう」という主張を出すたびに苦笑いする。思考の狭量をこえて無知の壁を感じることになる。中国メディアは当局の報道機関に過ぎないので、メディアの無知はまさに当局の無知であろう。「経済報復論」は国際貿易に対する飲み屋レベルの談話だ。中国がT-Bond(米国の長期国債)を売り払ってしまえば米国を壊滅させられるという主張と似ている。韓国に対する貿易報復は中国の損失にすぎず、中国の経済危機を可視化する一種の激発ポイントになるという事実をあえて教えなければならないのか。

市場取引を恩恵授与や略奪だと考える者は、国際貿易がいかにして繁栄と平和を保障するのかを知らない。国内にもそのような愚か者が多い。親中左派もそのような部類だ。7月までに韓国と中国は計1171億ドルを売買した。輸出が685億ドル、輸入が486億ドルで韓国の200億ドルの黒字だ。取引は常に買う側が大声を上げる。中国がこの貿易黒字を韓国に対するTHAADテコで活用してみるという主張はもっともらしく聞こえる。しかしT-Bondの話のように愚かな算法だ。

驚くべきことに中国最大の輸入国は韓国だ。中国は昨年に1700億ドル分の各種の原・副資材および素材と中間材を韓国から輸入した。日本や米国よりも多い。中国は韓国のためにこのように巨大な物量を買うのだろうか。とんでもない。韓国ほど良い品質と価格を提供する国はない。それで貿易報復はまず中国の消費者らの効用を侵害することになる。

中国は消費者効用などは眼中にもない独裁国家だというのか。いや「消費者効用」は開始にすぎないのだ。韓国の部品と原・副資材を加工して他国に再び売ることが中国の貿易構造だ。韓国輸出品のうち加工貿易取引は50%を超える。中国内の流通過程を経て再加工される物量を合わせれば対中輸出のほとんど75%が再輸出される。韓国からの輸入こそ昨年2兆3000億ドルに達した中国輸出を可能にする最も大きな単一の源泉だ。貿易学ではこのような状況をうまく表現して「貿易の同調化」と呼ぶ。韓中間の貿易同調化はいつになく高くて韓国が打撃を受ければ中国は加工過程での付加価値まで加えて乗数的に打撃を受けることになる。いわゆる貿易報復論は、だからこそ無知な自害的恐喝に過ぎないのだ。