韓経:【コラム】IMFは強大国の操り人形か?(1)

  • 2016年8月12日

昔話に「糸の切れた操り人形」という話がある。操り人形とは糸をつけて上から操作する人形のことを称する。国際通貨基金(IMF)総裁は欧州、世界銀行総裁は米国がつとめるという彼らだけの不文律のもとIMFが強大国の操縦に従う操り人形だという事実は公然の秘密だった。

ところが最近この問題を公式に提起した文書が出てきた。それも内部文書で。IMFの内部監視組織である独立評価事務所(IEO)は先月28日、報告書を通じて2010年にIMFがギリシャ、ポルトガル、アイルランドに断行した救済金融の不透明性と非公平性を批判した。共にこのような問題の背後に欧州の債権国の不当な政治的圧力を強く示唆した。

報告書によればこれらの国に対する救済金融のトロイカ、すなわち欧州理事会(EC)・欧州中央銀行(ECB)・IMFが救済金融を断行する当時、救済金融規模および方式と前提条件など主な意志決定がすでに欧州首脳たちの集合体であるECによって決定された状態で、IMFは単にこのような決定を執行するのに終わったと批判した。すなわち、ECはドイツやランスなど主な債権国の政治的利害関係を代弁して救済金融の規模およびその条件を決めたし、IMFはこのような規模や条件が前例に照らしてみると不当だという実務陣の問題提起にもかかわらず政治的圧力に「屈服」してこれを受け入れたと主張した。

手続きの不透明性の問題もやはり提起された。IMF理事会はこうした主な政策懸案についての情報から徹底的に排除されて執行陣が構成した臨時のタスクフォース(TF)がすべての懸案を独占しながら先制的な債務構造調整に対する議論もなしに救済金融案を認可したと主張した。

政治的圧力と手続きの不透明性のほかに、ここには重要な示唆点がある。非公平性の問題だ。まず、もし欧州ではなくほかの新興国で危機が起きていたらこのように迅速かつ大胆な救済金融が行われたのかということだ。実際IMFはギリシャに2010年300億ユーロ、2012年追加で260億ユーロを投じた。アイルランドとポルトガルにも似たような規模の救済金融を投じたが特定国家に対する融資限度を3倍も超過する金額だ。2番目、異例的に該当国家の借金問題解決を先決条件として掲げなかった。3番目、これらの国の負債は国家債務ではなくほとんどがドイツとフランスの主な銀行が貸した金融圏の負債だ。したがって民間負債は銀行に債務償却と同じ一定水準の債務調整を要求しなければならないが、これをしなかった。このように寛大な救済金融は1997年のアジア外国為替危機の時と比較される。