韓経:米国、従来の貿易協定に不満…「誰が大統領に当選しても韓米FTA再協議は不可避」

  • 2016年7月29日

米大統領選挙でドナルド・トランプ共和党候補とヒラリー・クリントン民主党候補が競争的に「保護貿易」政策方向を示す中、韓国国内の通商専門家の間では「韓米自由貿易協定(FTA)再協議に備えるべき」という声が出ている。両候補は強度に差はあるものの「これまで締結した貿易協定のために米国人が被害を受けている」という認識では一致しているからだ。専門家らは「誰が大統領になっても再協議まで覚悟して、あらかじめ対応策を準備する必要がある」と助言した。

◆米国「貿易協定の全面的見直しを」

共和党は伝統的に自由貿易を支持してきた。ミット・ロムニー氏が出馬した2012年の大統領選挙で、共和党はオバマ政権がFTAに積極的でないと批判したほどだ。その共和党が変わった。18日に公開した党の政綱で「(米国の立場で現在に比べ)よりよい交渉の貿易協定が必要だ」とし、従来のFTAを再協議する意志を明らかにした。

「外国政府が米国の技術・ノウハウ・特許・商標・デザインなどを盗むこと(stealing)をこれ以上許してはいけない」という過激な表現まで使い、従来の貿易協定に不満を表した。

民主党も従来のFTAを見直す考えを示した。26日に発表した政綱で「すでに結んだ貿易協定も再検討が可能で、すべての貿易政策は米国内の雇用増加に焦点を合わせるべき」と明示した。既に締結したFTAについては「この30年間、米国はあまりにも多くの貿易協定を結んだ」とし「公正貿易の規則を破っている国が多く、企業は(米国の外に)職場をアウトソーシングしている」と批判した。民主党は「(従来の)貿易協定が大企業の利益ばかり増やし、労働者の権利と環境を破壊した」と述べた。

◆為替操作国指定の可能性も

共和党は政綱で他国の為替操作を容認しない方針も明らかにした。世界各国が貿易黒字のために自国の通貨安を誘導し、結果的に米国の貿易赤字が膨らむことを放置しないという意志を表したのだ。中国を標的としているが、対米貿易黒字を出している韓国なども対象だというのが専門家の分析だ。

民主党も為替操作について「中国を含む貿易相手国が為替操作をする場合、動員可能なすべての貿易制裁措置を取るべきだ」と主張した。

このため、どの政党が次期政権を握っても為替操作監視レベルは強まるという予想が出ている。4月に米国が為替監視対象国に指定した韓国・中国・日本・ドイツ・台湾などが1次ターゲットになる可能性が高い。為替監視対象国は為替操作国指定の前の段階をいう。

◆韓国通商当局は「注視」

米大統領選挙を眺める通商当局の内心は複雑だ。産業通商資源部(産業部)の関係者は「韓米FTA再協議の可能性は大きくないとみている」としながらも「在米大使館などを通じて現地の政治動向を綿密に点検している」と述べた。産業部は「FTA履行委員会、通産相会談、世界貿易機関(WTO)定例会議などを活用し、韓国企業が不合理な措置を受けないよう協議する」と明らかにした。周亨煥(チュ・ヒョンファン)産業部長官は「9月に米国を訪問し、韓米FTAに対する米国の誤解を解く」とも述べた。

朴泰鎬(パク・テホ)ソウル大国際大学院教授(元通商交渉本部長)は「誰が米国の大統領になってもFTAを見直すはず」とし「法律サービスなどFTAの問題点を指摘すれば、韓国政府が合理的に説明するなど積極的な通商外交をしなければいけない」と述べた。LG経済研究院のキム・ヒョンジュ研究委員は「政府レベルで米国議会などに対し、韓国との貿易で米国が利益を得ているということを積極的に知らせる必要がある」と注文した。

韓米FTA再協議の可能性は大きくないという見解もある。現代経済研究院のハン・サンワン総括研究本部長は「措置を取るといっても検討レベルにすぎないだろう」とし「多数の品目について何を要求して譲歩するのかを再交渉するのは現実的に容易でない」という見方を示した。