韓経:中国「三元系バッテリーを新基準設けて審査」…納品再開期待のサムスン・LGは当惑

  • 2016年7月20日

中国政府がニッケル・カドミウム・マンガン(NCM)など三元系バッテリーに対して安全性評価で「問題がある」という結論を出し、安全性を原点から再検討するための新しい基準を用意することにした。

世界的な評価機関がすべて安全だと評価した三元系バッテリーに対し、年初に「安全性に問題がある」として補助金を中断し、韓国政府が抗議すると新しく出した後続の措置だ。「新しい基準を作って公正に審査する」というのが中国政府の主張だが、自国企業が技術を開発するための時間稼ぎというのが業界の分析だ。

業界によると、中国工業情報化省は「一部の三元系バッテリーの安全性に問題があることが明らかになり、新しい基準の用意が必要」という結論を出し、これを国務院に報告した。

三元系バッテリーに対する安全性評価作業は、中国政府が年初に三元系バッテリーを搭載した電気バスに補助金を支給しないことにしたのがきっかけになった。「三元系方式に使われる陽極材は低い発火点のため火災の危険があり、バスには適していない」というのが理由だった。中国政府は自国のバッテリー企業が主に生産するリン酸鉄リチウム(LFP)方式バッテリーには補助金を支給することにした。

昨年中国に数千億ウォンを投入して三元系バッテリー工場を完工したLG化学とサムスンSDIは当惑している。韓国政府も対応に乗り出した。

3月に中国を訪問した周亨煥(チュ・ヒョンファン)産業通商資源部長官が中国工業情報化相に「早期に補助金支給を再開してほしい」と要請すると、「安全性評価の結果を早ければ4月に出す」という回答を受けた。

LG化学やサムスンSDIは中国政府が一定水準の技術力を備えた三元系バッテリーに対しては安全性に問題がないという結論を出すことを期待してきた。しかし、こうした期待は水の泡になった。

工業情報化省は三元系バッテリーに対する新しい安全性基準の準備作業に入る計画だ。LG化学とサムスンSDIはこの作業が終わるまでは中国電気バス企業にバッテリーを納品するのが事実上難しくなった。中国は電気バス価格の最大80%を補助金として支給している。中国電気自動車バッテリー市場で電気バスは約40%を占める。

問題は新しい安全性基準の準備作業がいつ完了するか不透明という点だ。業界では、中国バッテリー企業が競争力を確保するまで中国政府が新しい安全性基準の準備作業を延期していくのではという懸念も出ている。

◆三元系バッテリー

リチウムイオンバッテリーは陽極材、陰極材、分離膜などで構成される。このうちニッケル・カドミウム・マンガンの3種類の物質を混ぜて陽極材を作れば三元系バッテリー、リン酸鉄リチウムを使えばLFPバッテリーと呼ばれる。三元系バッテリーはLFPに比べてエネルギー密度が高く、より進んだ技術に分類される。世界市場シェアも三元系が93%、LFPは7%。