韓経:【コラム】韓国経済の飛躍、エネルギー新産業に導く時

  • 2016年7月12日

ドイツはいろいろと韓国と似ている点が多い。第2次世界大戦後に分断され、国民がサッカー好きで、製造業基盤の経済を構築してきた。似ている点が多いだけに、韓国はドイツから学ぶべきことも多い。

ドイツは製造業分野で世界的な競争力を持つ国だが、製造業を補完できる新しい産業を育成した。代表的なのがエネルギー新産業だ。ドイツは太陽光生産量の65%以上を輸出し、風力発電も輸出比率が70%近い。その結果、ドイツの再生可能エネルギー産業は国内市場を越えて新しい輸出産業へと急速に成長した。ドイツが新産業として育成した再生可能エネルギー産業は、従来の産業が衰退しながら減少した雇用も創出している。2014年基準で従来の産業で減少した分より多い37万件の雇用がエネルギー新産業で生まれ、2020年には50万件に増えるという。

エネルギー新産業の登場は従来のエネルギー産業のパラダイムも変えている。太陽光で生産した電気を貯めるバッテリー産業が成長し、コミュニティーを作ってバッテリーの電気を電力会社や近隣に販売するビジネスも生まれている。ドイツが作ったエネルギー新産業分野の「強小企業」は、未来エネルギー市場の覇権確保を狙うグローバル企業のM&A(企業の合併・買収)対象となっている。

ドイツがしている実験を韓国ができない理由はない。問題は意志と実践だ。産業通商資源部が5日に発表したエネルギー新産業総合対策は、エネルギー新産業を主力産業の競争力を補完する代替産業とし、最終的には輸出産業に育成するという意志の表現だ。こうしたビジョンを実践するために、政府はエネルギー新産業への投資拡大、エネルギー市場への民間参加活性化、エネルギー新産業の海外進出拡大を主な政策目標として提示した。

最も重要なのは投資だ。投資拡大のためには市場が反応する政策、民間の潜在投資需要を引き出す政策が必要だ。こうした変化は果敢な規制緩和と集中的な支援なしには不可能だ。今回の総合対策の核心は、エネルギー分野の規制を思い切って緩和し、政府が持つ政策資源を総動員して企業を動かし、国民が体感できる投資を生み出すことだ。▼発電所が電気を生産する時に再生可能エネルギーで充当すべき比率の「新再生義務履行比率」を高める▼規模が小さい新再生発電所の電力網連結を保障する▼電気エネルギーの貯蔵システムが普及するよう料金支援を破格的にする▼すべての家庭と企業に対して電気およびガスのスマートメーター器を普及させる--などがその事例だ。今回の対策で2020年までに42兆ウォン(約4兆円)、これに石炭火力性能改善および環境設備投資、老朽石炭火力廃止など石炭発電対策まで含めると2030年までに少なくとも52兆ウォン規模のエネルギー新産業投資が行われる見込みだ。

エネルギー新産業が発展するためには、革新的なアイデアとビジネスモデルを持つ民間プレーヤーがより多く参加できるよう市場構造を変えていくことも重要だ。今回の対策は市場でエネルギー新産業がより多くの役割ができるように新しい制度を導入した。太陽光で電気を生産し、一般消費者と企業を相手に電気を販売する企業型プロシューマー事業がその例だ。電気料金が安い時間に電気を貯め、高い時間に電気を工場や商店街に販売するエネルギー貯蔵システム電気販売事業も拡散する計画だ。エネルギー貯蔵システムなどエネルギー新産業への投資を条件とし、一定の需要家が電力取引所で電気を直接購入できるよう電力直接購買制度も改善する。この場合、エネルギー新産業を中心に電力市場の民間参加が拡大するだろう。

エネルギー新産業の海外進出も積極的に推進する計画だ。首脳外交の成果を後続事業の受注に結びつけ、世界各国の気候変動対応をエネルギー新産業輸出の好機として活用する。韓電のような公企業の評判と事業企画能力を活用し、太陽光、エネルギー貯蔵システム、送配電会社など国内関連企業がともに海外に進出できるよう支援する計画だ。

周亨煥(チュ・ヒョンファン)産業通商資源部長官