韓経:【社説】米国まで保護貿易主義とはどうしろというのか

  • 2016年7月4日

米国で保護貿易主義の色が急速に広まっている。共和党大統領選候補のドナルド・トランプ氏は「FTAが雇用を破壊した」と述べて通商政策の大転換を公言している。自分が政権を執ればメキシコとNAFTAを見直し、環太平洋経済連携協定(TPP)からは離脱するという過激な主張も口にした。さらに心配なのは民主党候補ヒラリー・クリントン氏だ。主流社会の支持を受けている候補であるにもかかわらず、ヒラリー氏は「貿易協定を全面的に見直す」という大統領選挙の公約を最近確定・発表した。

自由貿易の旗印を揚げてグローバル化を牽引してきたの国が米国だ。中でもとりわけ共和党は自由市場の最大支持者だった。このような党の候補が「FTAは災難」であり「自由貿易支持者は反米主義者」と扇動していることから混乱はさらに深まる。民主党の変心も驚く。民主党は「非常に多くのFTAが締結されて雇用などが被害を受けた以上、既存の貿易協定を見直す」という政治綱領政策草案を作ってしまった。サンダース氏の善戦に影響を受けたものかは分からないが主流候補の「急な左転換」だ。

「新保護貿易主義」は方向錯誤だ。「米国を再び裕福に」という公約を実践するためには当然、自由貿易拡大を話すべきだ。国際交易は比較優位国と比較劣位国双方に利益であるとするリカードの「比較優位論」は依然として有効であるのみならず、現実でも立証されている。米国際貿易委員会(ITC)が先週発表した報告書にもよく現れている。トランプ氏は「韓米FTAで韓国だけが得をした」と述べたが、米国の輸出増大と商品収支の改善効果も明確だったというのが報告書の結論だ。

もちろん過度に恐れる必要はない。トランプ氏は「私は自由貿易を反対しているのではなく愛している。ただ、素敵な取り引きをしたいだけだ」とも述べた。覚えておかなくてはならない点は米国の二重性だ。自由貿易を金科玉条のように叫んだ時代にも米国はスーパー301条を動員した。数カ月前、韓国など5カ月を「為替レート観察対象国」に指定したように、いつも自国産業保護が最優先だ。得たものと同じくらい返すことができてはじめて自由貿易は最大化できる。自由貿易の最大恩恵国である韓国のイニシアチブがさらに重要になった。