韓経:【コラム】ソフトウェアパワー不在、大韓民国

  • 2016年6月30日

20世紀に入って出現した億万長者の大多数は情報技術(IT)分野の人物だった。フォーブスが発表した「2016年世界長者番付」を見ると、マイクロソフト(MS)のビル・ゲイツが3年連続で1位を守り、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス、フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグ、そしてオラクル創業者のラリー・エリソンが5-7位だった。大韓民国も富の移動が最近活発になり、IT分野の新興富豪が増えた。クォン・ヒョクビン・スマイルゲート代表が4位、金正宙(キム・ジョンジュ)NXC代表が6位だ。

未来創造科学部は3年前から「ソフトウェア(SW)適正価格」懇談会を開いている。似た性格の討論会が創造経済を国政アジェンダに掲げた朴槿恵(パク・クネ)政権に入って増えた。しかし現場はソフトウェア会社の劣悪な現実を吐露する場になって久しい。ソフトウェア産業が本格的に生じてから30年ほど経過したが、ほとんど変わっていない。適正価格を求めるソフトウェア業界の絶叫は凄絶だ。

分離発注が定着しないため、プロジェクト全体費用のうち人件費やハードウェア購買費に押されてソフトウェアは低価格納品を強要されている。納品後、外国産ソフトウェアには平均22%のメンテナンス料率を適用する半面、国産ソフトウェアには8%台の低いメンテナンス料率を適用している。製品導入後の初年度を無償期間と考える慣行も蔓延している。知識財産権の概念が不足し、一部の機能変更要請だけで発注者が所有権を主張するケースが多い。大企業に納品するには系列会社のシステム統合(SI)会社を通過する通行料を支払わなければならない。建設業でもないのに再下請禁止が今では本格的に議論され、技術の評価が無視された最低価格落札慣行も徐々にブレーキがかかっている。

大韓民国のソフトウェア生態系は企業の成長を妨げる悪条件をすべて集めた姿だ。このため国産ソフトウェア会社は適正な代価を受けることができず、収益が少ないため研究開発(R&D)に再投資する余力もない。その結果、外国産ソフトウェアに比べて性能の面で落ちるなど競争力が失われている。

ソフトウェアが第4次産業革命を導くという点を否認する人はない。ソフトウェア産業生態系の悪循環はまもなく国家経済の未来の深刻な脅威になるだろう。今はもう巨視的で大義的な観点でソフトウェアの価値を認め、格別の措置を取らなければいけない時だ。

イ・ヨン韓国女性ベンチャー協会長