韓経:【寄稿】韓国・サウジの新しい経済協力の信号弾

  • 2016年6月23日

先月、黄教安(ファン・ギョアン)首相に随行してサウジアラビアを訪問し、中東地域の状況が急速に変化しているのを実感した。イラン核交渉の妥結、シリア内戦、イスラム国(IS)の跋扈(ばっこ)など中東地域内の国際関係力学が複雑に展開していることを感じた。世界的に原油安がニューノーマルとなった経済環境で、中東国家が「ポストオイル」時代に備えるため産業多角化政策の準備に苦心している。

サウジは韓国原油導入量の約30%を占める第一の原油供給国であり、海外建設受注累計額の20%を占める第一の海外建設受注国だ。歴代政府は韓・サウジ関係を重視してきた。

サウジ政府は4月、「ビジョン2030」を発表した。中長期的に石油依存度を低め、新産業への投資を強化し、経済体質を完全に変えようということだ。一部では、サウジが似た経済改革案を発表したことがあり、黄金の卵を産む国営石油会社アラムコを公開するという点に慎重な見方を示したりもする。しかしこうした改革の努力は石油という有限の資源に依存する経済構造から抜け出すというサウジの国レベルの決断といえる。

黄首相のサウジ訪問当時、サウジの国王と政府関係者、財界人との対話で共通の話題はビジョン2030だった。サウジの人々は韓国の経済開発経験の共有および先端技術の導入を通じて、韓国の経済システムをベンチマーキングするという意志を見せた。ビジョン2030を履行するうえで韓国を核心協力パートナーにしようという意志を明らかにしたのだ。

1970年代以降の韓・サウジ経済協力の出発点を建設と原油とすれば、ビジョン2030を通じた協調は両国経済協力の第2の復興期になる可能性がある。協力対象分野には再生可能エネルギー、保健・医療、新都市、投資分野が浮上するとみられる。

また現地に進出した韓国企業の念願事項だった「数次査証協定」の早期締結に合意したのも大きな成果に挙げられる。両国外交部間で締結した「政務協議了解覚書(MOU)」も国際舞台で相互理解と協力を増進させるのに寄与するだろう。

政府は対中東政策を綿密に立案し、韓国企業の現地進出を後押しし、在外国民の保護に注力し、国際社会の責任ある中堅国として中東の平和と安定に寄与できる案を積極的に模索しようと思う。

イム・ソンナム外交部第1次官