韓経:【コラム】大宇造船の不良、分からなかったのか隠したのか

  • 2016年6月13日

大宇(デウ)造船問題の絶頂は海洋プラント会計ミステリーだ。現代(ヒョンデ)重工業とサムスン重工業が莫大な損失を計上して経営陣を刷新した2014年にも大宇造船は純利益を公表した。法人税も納付し283億ウォン(約26億円)に達する現金配当も出した。しかし数カ月ももたずに外部監査人の要求によって資本の蚕食を打ち明けた修正版を出した。先週、検察は大宇造船だけでなく主債権銀行であり大株主である産業銀行とアンジン会計法人を同時に家宅捜索した。

海洋プラントの会計構造についての理解が必要だ。例えば1次年度末に5兆ウォンの現金を出資して設立したA造船会社が2次年度に工事期間3年・推定工事費30兆ウォンの工事を契約金額42兆ウォンで受注したと仮定しよう。2次年度に10兆ウォンの工事費が投入されれば予想利益4兆ウォンを合わせて14兆ウォンの工事の未収金を計上する。利益4兆ウォンに対して法人税と現金配当を1兆ウォンずつ支給すれば利益余剰金は2兆ウォン残る。

代金を完工後に受け取る条件ならば保有現金5兆ウォンを先に使って法人税と配当まで7兆ウォンを借入れなければならない。3次年度に10兆ウォンの工事費が再び投入されれば12兆ウォンをさらに借りて借入金は19兆ウォンになり、工事未収金と利益余剰金も2倍に増える。

3次年度に総工事費の推定値が当初の30兆ウォンから50兆ウォンに増えたことが問題の核心だ。現代とサムスンは大規模な損失を計上した。しかし大宇造船はこれを無視して外部監査人の要求により後になってから修正した。工事費30兆ウォンを追加で投じてこそ代金42兆ウォンを受け取れるため工事未収金の価値は28兆ウォンに大幅減額された12兆ウォンになる。完工しても8兆ウォの損失である工事に対して2年間法人税と現金配当4兆ウォンを不適切に支出して欠損が12兆ウォンまで拡大した。3次年度の推定損失を当初から適正に計上していたら法人税の納付義務もなく配当も不可能で欠損は10兆ウォンにとどまる。

現代とサムスンが不良を認知した時点で大宇造船の事情も似ていたのだろうが、本当に誰も分からなかったのだろうか。知らなかったとすれば、めちゃくちゃな工程管理を放置していた役員の背任だ。担当者が上層部ラインに報告したが誰かが握りつぶしたという可能性について検察は捜査しなければならない。

会計法人の責任も複雑だ。監査対象会社が資料を隠したり操作したりした場合にも監査人は正規監査手続きを通じてできるだけ見つけ出さなければならない。借金を脱落させた場合には支給利子と対照して取引銀行に確認しなければならない。筆者は米国留学に出る前、会計法人に勤めながら莫大な規模の証券会社の不正を摘発した経験がある。経理部長が会社の株式を売って代金を着服したのだ。株式の実物を確認する時は、ほかから借りて埋め合わせていた。問題になった株式の配当収入が抜けていた事実をずっと追跡した結果、その株式がすでに他人の手に渡っていたことを確認した。経理部長が自分のお金で配当金を埋め合わせていたら摘発が難しかった。

大宇造船監査の失敗は、過去の資料で確認が不可能な未来予測事項だ。残った工程の追加費用の予測は、高度な技術領域なので会社協力なしには確認が難しい。現代とサムスンの監査をつとめた会計法人の経験を共有していたら役に立っただろう。

しかし現在のところは監査上、知り得た情報の秘密維持の義務が厳格だ。

代表理事および財務責任者とともに現場責任者に対する確認義務を強化し、公認会計士会を中心に監査現場の経験を共有する案を講じなければならない。繰り返される監査の失敗に対する徹底した原因糾明と効率的な対策を通じて地に落ちた会計の透明性を引き上げなければならない。

イ・マンウ高麗(コリョ)大学教授(経営学)