韓経:ドイツの技術をのみ込むチャイナマネー

  • 2016年6月10日

中国企業がドイツ企業を買収するとして提案した金額は年初から現在まで91億ドルで、過去最高となった。

ウォールストリートジャーナル(WSJ)は9日、「今年はまだ6カ月も過ぎていないが、過去最高だった2014年の26億ドルを超えた」とし「それだけ技術流出に対するドイツの懸念も強まっている」と報じた。

金融情報会社ディールロジックによると、中国企業は今年に入って計24件の買収提案をドイツ企業に送った。ほとんど週に1回だ。件数基準の従来の記録(2014年の28件)を近く超える見込みだ。

先月、中国家電企業の美的集団(ミデアグループ)がドイツ産業用ロボット会社クーカを買収するとして44億ユーロを提示したのが代表的な例だ。クーカはスウェーデンとスイスを拠点とするABB、日本のファナック、安川電機とともに世界4大産業用ロボット企業に挙げられる。

今年1月に中国化工グループ(CNCC)が参加したコンソーシアムがドイツ産業用機械会社クラウスマッファイを9億2500万ユーロで買収し、3月には北京エンタープライズホールディングスが独トップの廃棄物焼却発電会社EEWを14億ユーロで買収した。

ドイツ企業の優秀な技術と製造ノウハウを習得し、新しい成長動力を確保するのが中国の目的だと、WSJは分析した。低賃金の単純組み立て中心の製造業と不動産・インフラ投資中心の経済が限界に達し、中国経済の成長率は昨年6.9%に低下した。7%を下回ったのは1990年以来25年ぶりだ。国際通貨基金(IMF)は2017年の中国経済の成長率が6.0%に落ちると予想した。

コンサルティング会社ローランド・ベルガー側は「中国の賃金競争力はもう消えた」とし「競争力を維持するには世界一流企業を育成すべきだという点を中国政府も気づいている」と述べた。

ドイツは中国への技術流出を懸念している。ガブリエル独副首相兼経済相はクーカが中国に渡らないよう、欧州がコンソーシアムを構成してクーカを買収することを先週提案した。8日には経済を完全に開放しない国(中国)の投資家に対してはより厳格な規制を加える案も提示した。

クローゼ独FOM戦略金融研究所教授は「自動化とインダストリー4.0(製造業革新4.0)はドイツの産業の未来の競争力と直結する」とし「その核心技術を保有するクーカに対して中国企業が提示した44億ユーロはそれほど大きな金額ではない」と指摘した。

中国企業が提案した欧州企業買収は今年119件にのぼる。ドイツの24件に続き、英国とフランスがそれぞれ15件、スイスが11件だ。Ernst & Youngのコンサルタントは「ドイツと欧州は中国企業の買収の動きに慣れなければいけない」と述べた。