韓経:【寄稿】海運の構造改革、基礎体力を毀損してはいけない=韓国

  • 2016年6月6日

韓進海運と現代商船、2大国籍遠洋定期船会社が韓国経済に占める比率は決して小さくない。まず、両社は第3国間の貨物運送を通じて年間100億ドル以上の外貨を稼いだ。2000年代半ばまで海運産業は自動車・造船・半導体産業とともに外貨を稼ぐ4大産業の一つだった。2つ目、港湾物流など海運に関連する産業を通じて国富を創出する機能も非常に大きかった。釜山(プサン)港などで処理される輸出入用貨物は港湾付帯事業を増やし、多くの雇用を創出した。これら定期船社は世界各国に埠頭を運営して収入を出した。

3つ目、これら遠洋定期船社は韓国の商品輸出入の荷主にも有益だ。国内の荷主が希望する日と場所に商品を輸出入する機能は、国籍船社が外国船社より確実かつ便利に提供する。定期船運送契約は「サービス契約」という長期契約を締結するが、大量の貨物を持つ韓国の荷主は国籍遠洋定期船社と運賃条件で有利に契約を締結してきた。4つ目、両社は運送契約関連紛争で韓国の荷主に有利な点を提供する。遠洋定期船社は世界各国に船舶が寄港するため、あちこちで訴訟が生じたりする。したがって船社の主な事務所を管轄する裁判所だけで訴訟を提起するよう約定している。日本のNYKは東京、デンマークのマースクはロンドン、ドイツのハパックロイドはハンブルクの地裁でのみ訴訟を起こすことができる。韓国の船社に関してはソウルで訴訟を提起することになっている。5つ目、両社は韓国の海商法が存在するのを助ける。傭船および船舶建造契約に関する紛争はほとんどすべて英国法を準拠法とし、ロンドンの海事仲裁機関で扱うよう約定している。このため韓国の海運関連紛争はほとんど英国で処理されてきた。幸い、国籍遠洋定期船社の紛争解決は、韓国の準拠法に韓国の裁判所を管轄裁判所として訴訟を進めるよう約定されているため、韓国で海上法関連事件が存在するようにした。

こうしたいくつかプラスの機能をする国内2大遠洋定期船社が今、大きな危機を迎えた。1990年代まで2大遠洋定期船社は多様な船種の運営でリスクを分散させ、うまく営業してきた。しかし通貨危機後、2000年代から負債比率を合わせるために自動車運搬船などを売却し、また売却した船舶を高い傭船料を支払って借りて運航し始めた。海外で運営していた埠頭も売却した。その結果、2010年代には全体営業費のうち定期船が占める比率が大きく高まった。一方、この期間、日本のNYKは定期船営業比率をむしろ減らし、自動車運搬船および陸上物流業の比率を高めた。そして海外で埠頭を運営し、収入につながっている。今でもNYKがグローバル不況局面を安定的に乗り越えている秘訣だ。このような形で日本の3大定期船社は同一海運同盟内で安定的に収入がある。NYKは1998年に海運同盟が廃止され、定期船運賃が自由化されると、深刻な景気変動に耐えるのは難しいと判断して比率を減らした。

今回の海運構造改革はNYKの例から学ぶ必要がある。一つの船種だけを運営することで生じる経営上のリスクを減らすために事業の多角化を再推進し、船の価格が低い今むしろ船舶を建造または購入できるよう誘導し、船会社の基礎体力をむしろ高められるよう構造改革に焦点を合わせなければならない。船会社の自らの努力がまず必要なのは言うまでもない。傭船料引き下げ交渉を急いで決着させ、経営改善努力を迅速に履行し、グローバル海運業界の「チキンゲーム」の中で自生できる道を探さなければいけない。

キム・インヒョン高麗大法学専門大学院教授・韓国海法学会長