「日米vs中露」へと広がる南シナ海紛争(1)

  • 2015年6月8日

「アジアの火薬庫」と呼ばれる南シナ海をめぐる対立が深まっている。日本が南シナ海で集団的自衛権を行使できるという立場を明らかにし、中国は該当地域でロシアとの海上合同訓練の計画を公言しながらこれまで「中国vs米国・周辺国」の対立構造で展開していた事態が「中露vs日米」の対決構図へと深化・拡大する様相を見せている。

日本の中谷元防衛相は5日、衆議院の平和安全法制特別委員会に出席し、南シナ海紛争が集団的自衛権行使の要件に該当する可能性があるかという質問に「法的理論では可能だ」と話した。

集団的自衛権は友邦などに対する攻撃を自国の攻撃と見なして反撃できる権利で、日本は昨年の憲法解釈改正と4月の米国との防衛協力のための指針(ガイドライン)改正を通じてその可能性を広げていた。今年に入って米国が中国の南沙諸島内の人工島建設や武器配備などへの対応程度を高めると日本も歩調を合わせているとフィナンシャルタイムズなどの外信は解釈した。

日本はこれにとどまらず、中国との領有権紛争当事国の支援にも出た。安倍晋三首相は4日、フィリピンのベニグノ・アキノ大統領と首脳会談を行って「南シナ海内での大規模埋め立てと拠点構築を含めた一方的な行動に深刻な懸念を共有する」と発表した。日本はフィリピンの防衛力強化支援のために▼P3C哨戒機の輸出▼巡視艇10隻提供▼3000億円台のインフラ支援などを推進すると明らかにした。アキノ大統領はこの日、南沙諸島内の暗礁埋め立てなどを始めた中国を狙って「ドイツのナチスと同じだ」と非難した。

これに先立ちアシュトン・カーター米国防長官は先月29日、シンガポールで開かれたアジア安全保障会議(シャングリラ対話)で「中国のすべての干拓事業は即座に永久的に中断されなければならない」として「米国は南沙諸島に対する偵察と哨戒活動を継続する」と明らかにした。