韓経:WTOに米国を提訴するという中国

  • 2016年5月30日

米国が中国主要鉄鋼企業の価格談合を調査すると明らかにすると、中国は世界貿易機関(WTO)提訴で対抗することを示唆した。世界鉄鋼産業の供給過剰問題をめぐり米中間の対立が激しくなっているという分析が出てくる。

チャイナデイリーなど中国メディアによると、中国商務省は27日の声明で、「中国鉄鋼会社に対する米国側の価格談合調査は保護貿易主義によるものであり、世界貿易秩序を乱す行為」と批判した。また中国商務省は「事態の推移を注視しながら、WTO関連規定を利用して中国鉄鋼企業の正当な権益が保護されるよう支援する」と強調した。この日、商務省が「WTO関連規定」に言及したのは、場合によっては米国の価格談合調査をWTOに提訴する可能性があることを示唆したものだと、中国現地メディアは分析した。

米国際貿易委員会(ITC)は最近、USスチールが中国鉄鋼企業に価格談合共謀、ハッキングを通じた貿易機密窃取、原産地虚偽記載疑惑などを提起したことを受け、河北鋼鉄、宝山鋼鉄など中国主要鉄鋼企業を調査すると明らかにした。これに先立ち、米商務省は中国の耐腐食性鉄鋼に最大451%の反ダンピング関税を課す決定を出したりもした。

こうした状況で27日、伊勢志摩で閉幕した主要7カ国(G7)首脳会議までが中国に向けて「世界的な鉄鋼過剰生産能力を至急解消するべき」とし「政府と関連機関の(鉄鋼業界に対する)補助金支援を懸念している」と宣言すると、危機感を感じた中国がWTO提訴カードを検討し始めたという分析だ。

鉄鋼産業は中国でも代表的な供給過剰産業に挙げられる。中国鉄鋼協会傘下の101社のうち半分の51社が昨年、赤字を出した。中国政府は2月に発表した「鉄鋼産業過剰設備解消案」で、2020年までに現行の鉄鋼生産能力の10%(1億-1億5000万トン)を縮小すると発表した。しかしこうした過剰設備縮小計画が効果を発揮するには時間が必要で、当分は海外輸出拡大が避けられない状況だ。昨年、中国の鉄鋼製品輸出が初めて1億トンを超えたのもこのためだ。ポスコ経営研究院は「中国の経済成長の減速で今年も中国内の鉄鋼製品需要は多くない」とし「今年は鉄鋼製品をめぐる通商摩擦がさらに激しくなるだろう」と予想した。