韓経:韓国行き選択した外国人科学者「長く研究するのが難しい」

  • 2016年5月26日

ポーランド出身の科学者、バルトシュ・クジボフスキー蔚山科学技術院(UNIST)教授は2014年、夫人と息子を連れて韓国に来た。クジボフスキー教授が研究する分野は半導体がない新概念の電子回路。半導体チップのトランジスター個数が18カ月ごとに2倍ずつ増え、性能も2倍ずつ向上するというムーアの法則が事実上消え、従来の半導体技術に代わる新しい電子工学技術に挙げられる。

クジボフスキー教授は「今は韓国のキムチの味にはまっている」としながらも「最初に韓国行きを決心したのは冒険だった」と語った。多数の研究者が一人で韓国に来て、短ければ数カ月、長くても1、2年後に離れることを勘案すると、クジボフスキー教授のように家族で来るケースは多くない。安定した生活の中で研究することを望んで家族を連れてきたが、クジボフスキー教授は息子と離れて暮らすことになった。蔚山(ウルサン)付近に息子が通えるような学校がなく、釜山(プサン)の国際学校に行くことになった。息子は親と離れて釜山国際学校の寮にいる。

国内高級科学人材の海外流出が続く中、海外の高級頭脳が韓国に来る事例も少しずつ増えている。未来創造科学部が昨年から潜在力がある新進海外研究者の誘致に取り組み、韓国科学技術団体総連合会は毎年、海外科学技術者を招聘して国内の研究開発現場で共同研究するブレーンプール事業をしている。

韓国研究財団も1994年から外国人科学技術者招請事業を展開している。自然科学分野で最も多くの科学者を保有する基礎科学研究員(IBS)には178人の外国人科学者がいる。

しかしクジボフスキー教授のように韓国行きを選択した科学者の多くは国内の環境に適応できず苦労する。未来部が2013年に国内外国人研究者を対象に韓国社会と労働環境を調査した結果によると、言葉の問題に次いで苦労が多いのが食事、社会関係形成、配偶者の就職、文化施設だった。

外国人科学者が韓国生活で最も大きな問題に挙げるのは言葉の壁だ。昨年ソウル大が国会教育文化体育観光委員会に提出した資料によると、2010-2015年にソウル大に任用された外国人教授80人の30%は言葉の壁などで研究活動を一緒にする大学院指導学生が一人もいないことが明らかになった。一般的に教授は平均7、8人の大学院生を指導する。

何よりも外国人研究者は言葉の壁のため研究支援費を受けるうえでも不利があると訴える。国内で研究費支援課題を決める際、韓国語でだけ研究計画書を受け付ける場合が多く、外国人教授は申請もまともにできないからだ。

ソン・ビョンホKISTEP政策企画本部長は「基礎科学研究がしだいに国際化する状況で、韓国は研究の開放性が大きく落ちる」とし「国際共同研究を拡大する一方、博士後研究員など海外新進基礎研究者の流入を拡大できる総合的な政策が必要だ」と述べた。