韓経:研究開発の投資増えたが…世界最高の研究者のうち韓国人は0.6%

  • 2016年5月25日

「基礎研究の成果は20~30年後にあらわれる。そうするには研究者に対する信頼を基にオーダーメード型の評価をしなければならないが、韓国は13部署に370を超える研究管理規定が別々にある」〔ミン・ギョンチャン延世(ヨンセ)大学教授〕

「良いアイデアは上(政府)から出てくるのでなく、その分野の研究者から出てくる。米国では時間を与えて論文のような深みのある研究提案書が出てくるのに、韓国では科学者が毎年研究費をもらうために提案書をまとめるのにしがみついている」(ヨ・ジュング韓国科学技術研究院ロボットメディア研究所長)。

20日、梨花(イファ)女子大学国際教育館LGコンベンションホール。未来創造科学部の主催で開かれた「大韓民国の基礎研究発展の大討論会」では、韓国の基礎研究発展のために根本的な変化が必要だという研究者からの指摘があふれた。この日の行事は、未来部が科学技術50周年を迎えて基礎研究現場で活動する教授や研究者・大学院生の意見を取りまとめるために4月から地域を回って開いた討論会を決算する場として用意された。行事に参加した科学者200人余りは「国内の基礎研究の土壌を変えるために政府が研究者に多くの自律性を与え、目の前の成果よりも新しい発見ができるように時間を与えなければならない」と口をそろえた。

韓国の基礎研究投資は毎年増加している。朴槿恵(パク・クネ)政権になってから研究開発(R&D)予算の40%を基礎研究に投資している。今年だけで5兆2000億ウォン(約4820億円)を投じる。基礎研究力も急成長して科学技術論文引用索引(SCI)に上がった学術誌に発表した論文数は世界12位、世界3大学術誌であるネイチャー、サイエンス、セルに発表した論文数では世界18位に上がった。

だが成果の内面をのぞいてみれば、まだ行く道が遠いというのが科学界の指摘だ。論文の質を評価する時に見る5年間の論文1本あたりの平均被引用回数は4.55回で、上位50カ国の中で32位にとどまった。要するに論文発表は増えているが、これを参考にする他国の研究者が多くないという意味だ。世界で最も影響力のある研究者上位1%(3126人)のうちで韓国国籍は19人(0.6%)に過ぎない。

ノーベル賞受賞や世界が注目するほどの核心技術を確保するには基礎科学に対する長期的な投資が必要だ。だが政府が支援する基礎研究費の中で研究者が自ら提案する自律型研究に対する投資はむしろ減りつつある。自律型研究費の割合は2011年の27.3%から2015年は21.7%に低くなった。研究費を配分する公務員の影響が大きくなるにつれ、昔よりも研究者が感じる安定感と自律性が下がったという評価だ。

科学者の間では危機感が広がっている。韓国科学技術企画評価院(KISTEP)が1月13~22日、韓国研究財団で理工分野の基礎研究課題を支援されている研究者2543人を対象にアンケート調査した結果、研究実行の環境について満足しているという回答は28.2%で、10人中3人に過ぎなかった。研究発展のための研究費の獲得(43.8%)、持続的な研究費の確保(42.9%)、長期的な研究実行の困難(40.7%)など安定的な研究環境に関連したものが研究実行中で最も困難なものとして挙げられた。

ソン・ビョンホKISTEP政策企画本部長は「10年を超える長期の基礎研究課題を増やして研究者に対する権限も拡大していく必要がある」と話した。