韓経:【コラム】「トランプ症候群」を活用しよう=韓国

  • 2016年5月19日

16日(現地時間)、韓国経済研究所(KEI)の主催により米国ワシントンDCで開かれた「韓米同盟強化」セミナーの会場。パネリストが共和党大統領選挙候補のドナルド・トランプ氏の外交・安保公約をめぐって熱を帯びた討論を行っている間、聴衆の席にいた1人がいきなり誰かを指し示した。彼は「あそこにトランプ陣営から来た人がいるが(公約の関連内容を)直接尋ねたらどうか」と提案した。

その人はどこかに行く途中で立ち寄ったのかネクタイはもちろんジャケットも着用していないシャツ姿だった。聴衆席にいた参席者らがどっと集まっていって名刺を渡すと、彼は追われるように会場を出て行った。

この頃ワシントンDCではトランプ氏を少しでも知っている人の人気ぶりが「上限値」だ。トランプ氏が共和党大統領候補に確定した後、本戦までものにする可能性が高くなる中で彼に関する情報需要は爆発しているのだが供給はきわめて少ないからだ。

ほかの国での関心はさらに高い。最近ポーランドに行ってきたワシントンのシンクタンク関係者は「会う人ごとにトランプ関連の質問ばかりだった」と伝えた。トランプ氏の当選可能性が高いのか、陣営の選挙対策本部長であるコーリー・ルワンドウスキー(ポーランド系)を通じて陣営にコネを作ることはできるのかなどについて集中的に聞かれたという。先日、韓国に行ってきたというある米国企業家は「ワシントンDCよりもソウルでトランプ氏に対する関心が高かったようだ」と話した。

各国がトランプ氏に非常な関心を持つ主な理由は「不安感」のためだ。彼が米国大統領に当選すれば、米国のこれまでの外交・安保政策や対外経済政策に大きな変化が近づくのではないかと憂慮している。一例としてトランプ氏は、韓国が在韓米軍駐留費用を100%負担しなければならないとか、韓米自由貿易協定(FTA)を原点から再検討すべきだと主張してきた。

それでもトランプ恐怖だけがあるのではない。「チャンス」と捉えてみようという見方もある。ワシントンDCで勤めているある経済学者は「トランプ恐怖症を克服しなければならない」と主張した。トランプ氏が吐き出す激しい言語と公約に埋没してはいけないといった。企業人出身の大統領の出現、米国政治の世代交代、局面を覆すような競争ルールなどさまざまな可能性を活用する逆発想の知恵を発揮できるという指摘がもっともらしく聞こえてきた。