韓経:「バイオハブ」シンガポールVS多国籍企業離れる韓国

  • 2016年5月19日

グローバル製薬会社ムンディファーマは13日トゥアス・バイオメディカル・パークで生産施設工事に入った。

13日、シンガポールのトゥアス・バイオメディカル・パーク。国際空港から自動車で50分(約50キロ)の距離にあるトゥアス地域に入ると起重機やフォーククレーンが休む間もなくなく動いていた。メルク・シャープ&ドーム(MSD)やアルコンなど多国籍製薬会社の看板が目を引いた。

消毒剤「ベータディーン」を開発したグローバル製薬会社ムンディファーマはこの日、生産施設および研究開発(R&D)センターの起工式を行って年末までに1億シンガポールドル(約860億ウォン)を投資して7300平方メートル規模の設備を作ると発表した。アジア初の生産拠点としてシンガポールを選んだのだ。ムンディファーマ新興国市場のラマン・シン社長は「研究インフラ・人材など多様な要素を考慮した」として「アジアに生産施設を作るのはシンガポールが初めて」と話した。

◆製薬・バイオのハブになったシンガポール

世界の製薬・バイオ企業が先を争ってシンガポールに工場やR&Dセンターを作っている。シンガポールに拠点を置く関連企業だけで100社余りに達する。アジアの金融中心地シンガポールがグローバル・バイオハブという新たなエンジンを装着したのだ。

シンガポールは2000年から政府が率先してグローバル製薬・バイオ企業を誘致した。法人税の最高税率を17%まで引き下げて先端技術先導企業に選ばれれば15年間税金を免除する「ニンジン」策を出した。高級人材の養成にも力を注いだ。トゥアス地域から25キロ離れたバイオポリスにR&Dセンタークラスター(集積団地)を作った。ここにはバイオR&Dを専門担当するA*STAR(シンガポール科学技術研究庁)の研究所がある。シンガポール大学はデューク大学、オックスフォード大学など海外有数の大学と共に医大を設立して生命工学の教育を強化した。

2001年に50億ドルだったシンガポールのバイオ生産額は昨年、300億ドル規模に急増した。バイオ産業の従事者も2万人余りで同期間に3倍増えた。ムンディファーマの起工式に参加したシンガポール通商産業部長官は「シンガポール政府は毎年40億シンガポールドル(約3兆4000億ウォン)をバイオ産業に投じている」として「研究インフラから人材まで安定した支援を約束する」と強調した。

◆バイオ企業の誘致戦略ない韓国

韓国政府もバイオ産業を育成すると宣言したが、そもそもグローバル企業誘致のための案が抜けている。国内に生産施設とR&D組織があるグローバル製薬企業は、たった3社に過ぎない。生産施設はタイレノールなどを生産するヤンセン〔京畿道華城(キョンギド・ファソン)〕と造影剤を製造するバイエル〔京畿道安城(アンソン)〕だけだ。サノフィ・アベンティスは大田(テジョン)に研究員8人を置くR&D部署を運営している。韓国の代表的なバイオクラスターに選ばれる仁川松島(インチョン・ソンド)にはグローバル製薬・バイオ企業が1社もない。業界の高位関係者は「1990年代後半以降、韓国に生産設備を置いた多国籍製薬企業が高い法人税や不確かな政策、研究インフラの不足などを理由に撤退したため」と話した。

専門家たちはバイオ産業育成のためには力のあるグローバル企業の生産施設とR&Dセンターを誘致することが必須だと口をそろえる。イ・ドンウォン韓国保健産業振興院シンガポール支社長は「グローバル企業の生産・R&D施設が入れば、関連技術や人材が国内に流入するなど純機能が大きい」として「シンガポールの成功事例を参考にしてグローバル製薬会社を積極誘致する案を講じなければならない」と指摘した。