【コラム】韓国市場経済の敵たち(2)

  • 2015年6月15日

不平等はもう一つの障害要素だ。国際通貨基金(IMF)は不平等が少ないほどマクロ経済的な安定性と持続可能性が高まるとし、成長のために過度な不平等の是正を促した。ノーベル経済学賞受賞者のロバート・ルーカス・シカゴ大教授は「健全な経済学にマイナスとなる傾向のうち最も有害なのは分配問題に焦点を合わせること」とし、過度な分配重視論を警告した。しかし分配政策が社会的・政治的進歩を牽引してきた点は否認できない。行き過ぎた不平等は社会の結束と信頼を弱め、成長を阻害するものとして作用するおそれがある。市場経済はゲームのルールと結果に対する承服を前提とするが、不平等が深刻になればこれは受け入れられにくくなる。韓国の所得不平等水準が経済協力開発機構(OECD)で最下位圏というのは示唆する点が多い。通貨危機以降、中産層が持続的に減っている点は懸念される部分だ。分配問題は「統合と包容」か「対立と分裂」かという社会アイデンティティーの尺度だ。

落後した政治こそ最も深刻な問題だ。ポール・クルーグマン・プリンストン大教授の言葉のように経済が誤る最も大きな原因は政治にあるからだ。議会民主主義は「1人1票」を前提とするが、激しい選挙競争は韓国を「1ウォン1票」社会に変質させた。経済的な不平等が政治的な不平等をもたらし、これは過度な地代追求行為を促進し、社会の統合と発展に悪影響を及ぼす。ニューヨーク大の金融危機研究によると、ウォール街の巨大銀行は政界に対するロビー活動と選挙支援などを通じて、生産性の向上よりも過多借入と不公正貸出に注力したことが明らかになった。「三流政治」が歪んだ資源配分の主犯という主張だ。与野党の争いと政争を緩和するために導入された国会先進化法が政治失踪と不良立法を量産する触媒剤になったのはアイロニーだ。健全な市場経済を守るための意志が切実に求められる時だ。

パク・ジョング草堂大学総長

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