日本企業、復活の力は「人材経営」

  • 2015年6月16日

「社員が幸せでこそ会社が成長する。この当たり前の言葉を理解するのに数十年かかった」

ものづくり研修のために訪れた自動車部品企業エイベックス(AVEX)の加藤明彦会長が、韓国の中小企業関係者らに会って話したことだ。2世経営者である彼は父親から会社を受け継いだ。彼は社員に「一生懸命やりなさい」という言葉を頻繁に使ってきた。「会社が成長すれば社員も幸せだ」と考えていたからだ。だが、いくら社員を促してもまともに成果が出なかった。彼は何が問題なのか悩んだ。そして下した結論は「社員を追い詰めていては会社を育てられない。自ら成長するよう後押しだけをすべきだ」ということだった。

彼は全社員に自信のある分野を選ばせた。そしてほかの社員に教えるようにした。すると講師として出た社員は得意分野をより一層深く追求した。教育を受けた社員たちも応用して仕事ができるようになった。社員全員が現場で強い自信を得た。

また目標を自ら決めるようにした。目標を達成した時は能力に関係なく報奨した。仕事で誰でもやりがいを感じられるようにすることに焦点を合わせた。エイベックスの経営哲学は「人材育成だけが会社を存続させる」ということだ。

よく日本式経営を表現する時に「乾いた雑巾もしぼって使う」という。浪費要因を徹底的になくそうとする努力が宿っているからだ。作業員の目の動きまで考慮して仕事の効率性を高めようと努力する。このため「人間的ではない」という批判を聞く。

だが直接会ってみた日本の企業家たちは「浪費要因を減らすのも結局は人が快適で良くなければならない」と強調した。しぼり取って生産性を高めるというのではないのだ。

トヨタの子会社である岐阜車体工業はかつて社員を表現する時「人材」と書いていた。今は「人財」に変えた。人がまさに財産だという認識からだ。先んじる日本企業の真の力は「人材経営」を土台にした革新だ。