【コラム】「金利引き下げ」ではなく企業が景気を生かす=韓国(1)

  • 2015年6月17日

11日、韓国銀行は基準金利を年1.50%へと0.25ポイント下げた。輸出が振るわない上に中東呼吸器症候群(MERS)事態が経済主体の心理と実物部門の経済活動に及ぼす否定的影響を緩和するため先制的に対応するという説明だった。金利の引き下げが経済回復の手段ではなく、さらなる低迷を防ぐための窮余の策だという点を理解しても、その理由は苦しい。

多くの経済学の教科書では明らかに異なる性格を持つ景気変動と景気循環が同じ意味として使われている。景気変動というのは消費者の選好、労働の量と質、枯渇したり新しく発見されたりもする自然資源、技術水準などの不規則的な変化によって経済が変わる現象をいう。一方、景気循環は主に通貨の膨張にともなう規則的なパターンを描く経済変化を指す。

私たちが暮らす人間の世の中で、不規則的な変化は一日も欠かさず持続的に起きている。経済学はこうした変化が経済にどんな影響を及ぼすかをうまく説明する。それが経済に悪い影響を及ぼすことならば、私たちはこれを減らすために努力するだけで、その変化を根源的に除去することはできない。従って「経済の安定化」という言葉は最初から妥当ではない概念だ。人間の世の中の本質的な属性がそうであり、人間はより良い状態に進むために着実に行動するために、そのような政策が追求する安定化はむなしく矛盾的だからだ。

MERSも明らかに景気変動を引き起こす予期せぬ外的要因だ。これに対しても私たちができることはMERSが経済に及ぼす悪影響を減らすために最善を尽くすだけで、MERSがなかった経済状態に戻すことはできない。

問題を避けられない景気変動を、安定化という名のもとで金利引き下げなどの金融政策によって景気循環を内包するのだ。短時間で良くなるかもしれない風邪をさまざまな処方せんで長期間の病に変えることだ。1929年の大恐慌がそうだったし2008年の金融危機がそうだった。2000年代初めにドットコム経済が暗い影を落としたのは明らかに景気変動の1つの要因だった。それを恐れた米中央準備制度理事会(FRB)は金融を緩和し、結局は2008年の金融危機を招いた。