韓経:【取材手帳】さらに早まる中国の技術追撃

  • 2016年2月16日

中国政府がLG化学・サムスンSDIなどが生産する「三元系」リチウムイオンバッテリーを電気バスの補助金対象から除外したという便りは、バッテリー業界だけでなく産業界全般に衝撃を与えた。中国政府が韓中自由貿易協定(FTA)発効後1カ月も経たずに露骨に非関税障壁を作ったためだ。

これに対して韓国政府の高位関係者は「中国政府が韓国の技術にもっと早く追いつくためにこのような方法を使ったと思われる」と説明した。中国政府が外国企業の先進技術に対する規制を用意して自国市場に入ってこられないようにした後、中国企業が追いつけるよう助けているという分析だ。「世界貿易機関(WTO)などに提訴すれば良いのでないか」と尋ねると「難しい」と答えた。中国がほかのやり方で報復する可能性があるためという理由からだ。

専門家たちは、今後も中国政府が先端技術の開発スピードを速めるために非関税障壁をはじめとする各種手段を動員するものとみている。中国の昨年の経済成長率は6.9%で25年ぶりに7%を下回った。高い経済成長率を維持するには高付加価値産業を育てて労働者たちの賃金を上げるしかない。

中国が一刻も早く半導体・ディスプレイ・リチウムイオンバッテリーなどの産業を育てようと全力を注ぐ理由だ。昨年、中国が先端製造業の育成のための「製造業2025」計画を発表したのも同じ脈絡だ。この計画には、先端産業は政府が最大80%まで投資額を提供するという「破格的な」案が含まれている。

人材の引き抜きも非関税障壁に劣らず大きな問題だ。半導体業界の高位関係者たちに「白紙の小切手」を提示したという話がたまに聞こえてくる。今や韓国を食べさせている先端産業分野でも中国との正面対決は避けられないようにみえる。中国は強大な外交力、巨大な内需市場など韓国よりも活用する武器が多い。

これに比べて韓国企業が持っているものはあまりない。かえって半導体産業を支援するといえば「なぜ大企業を助けるのか」という反対が出てくるのをみると技術格差が狭まる日までいくらも残っていないようだ。