韓経:【コラム】産業に「観光」の帽子かぶせよう=韓国

  • 2016年1月25日

サッカー選手の具滋哲(ク・チャチョル)が2011年、独ブンデスリーガに初めて進出したチームはヴォルフスブルクだった。ドイツ北東部ニーダーザクセン州にあるヴォルフスブルクは人口約13万人の小さな都市だ。こうした中小都市がプロサッカーチームまで運営するのは1938年、ここに設立されたフォルクスワーゲンのおかげだ。2000年6月にフォルクスワーゲンがオープンした自動車サービス複合団地の「アウトシュタット」は年間250万人余りが訪れる観光名所だ。サッカー場40コート分の面積を持つアウトシュタットは、本社や出庫センター、自動車博物館、ブランド展示館などが関連したところで、観光名所としての地位を確立しながら家族単位での訪問客が多いという。産業現場がどのようにして立派な観光資源になるのかを見せる事例だ。

「観光帽子論」というものがある。観光産業の範囲があまりにも広く、ある分野でも「観光」という帽子だけをかぶせればみな包括できるという意だ。自然景観や文化遺跡はもちろん農業、漁業、製造業、医療、教育、スポーツなど事実上あらゆる分野が観光とつなげられる対象ということだ。

1999年にオープンした東京の自動車テーマパークMEGAWEB(メガウェブ)は、トヨタ自動車を展示して直接乗ってみることができ、仮想体験もできるテーマパークで年間550万人余りが訪れる名所だ。訪問客の35%は外国人だ。米国ミシガン州ディアボーンのヘンリー・フォード自動車博物館もやはり年間訪問客が160万人余りに達する。

自動車産業だけではない。どんな産業分野でもストーリーをかぶせてコンテンツを作れば観光客を呼び集めることができる。数年前ハンガリーに行った時のことだった。首都ブダペスト南西の千年古都ペスプレムから遠くないところにドイツのマイセン、デンマークのロイヤルコペンハーゲンとともに欧州3大名品陶磁器として選ばれる「ヘレンド陶磁器」の生産地ヘレンド村があった。村には陶磁器工場はもちろん精巧な模様を手で描き入れる姿を見ることができる細工室や博物館・展示館・商店・レストランなどが集まっており、陶磁器の製造過程見学、商品購入がワンストップで解決できた。

冷戦時代に武器工場が密集していた所を創造力あふれる芸術村に変えた中国北京北側の798芸術区など、産業遺産を観光名所にしたところも多い。日本は観光地として運営されている産業遺産が約1000カ所に達し、これらの観光地を訪れる人が年間1000万人を超えるという。

韓国内でも産業観光に対する関心が大きくなっているが、まだ足踏み段階だ。文化体育観光部によれば2013年国内産業観光に参加した外来観光客は約28万人。全体の2.7%にとどまった。産業観光に参加した企業もサムスン電子、現代(ヒョンデ)自動車など約330社で全体の0.01%に過ぎなかった。その上、展示・広報中心なのでビジネスモデルの創出は不十分だというのが一般的な評価だ。

文化体育観光部は今年の業務報告を通じて企業と連係した10大ブランド産業観光商品を開発すると発表した。情報技術(IT)・自動車・航空宇宙・食品・化粧品・漢方などを活用して魅力的な観光商品を作って産業観光に参加する外来観光客を2018年までに100万人に増やすというものだ。そのためには民官協力が必須だ。来月中に政府関連部署と地方自治体、企業団体、観光業界などで構成される民官協議体に関心が傾く理由だ。

ソ・フェドン スポーツ部長