韓経:原油安でも「飛べない」大韓航空

  • 2016年1月20日

大韓航空が労使摩擦とドル高という難関に直面した。操縦士労組が二桁を超える賃金引き上げ率を要求してストライキの手順に突入した上に、ウォン・ドル為替レートが1年ぶりに12.5%の急騰(ウォン安・ドル高)となってコスト負担が大きくなった。大韓航空の高位関係者は「全体コストの30%ほどを占める原油価格が20ドルラインに下がり航空業界にとってはこの上ない春が訪れたが、それを感じられない状況」としながら「操縦士労組がストライキに突入すれば大規模な欠航が避けられず、昨年のMERS(中東呼吸器症候群)より大きい脅威になるかもしれない」と話した。

◆操縦士労組、10年ぶりストライキ推進

大韓航空操縦士労組は「退職金の50%引き上げ、経営陣の賃金上昇分である年俸総額基準37%引き上げ」を要求しながらストライキの手順に入った。操縦士労組の関係者は19日「2015の賃金交渉決裂にともなう争議行為の賛否投票を今月29日まで進行中で、投票率が17日54%と半分を超えた」として「最終的に可決される場合は段階的に行動に突入する」と話した。操縦士労組はソウル地方労働委員会に賃金調整の申請を出すなどストライキの手続きを踏んでいる。

会社側は基本給・飛行手当て各1.9%の引き上げなどを提示したが拒絶された。会社側は労組の賃金引き上げ主張に誤りがあると主張している。

大韓航空関係者は「経営陣が韓進(ハンジン)KALなどの系列会社から受けとって賃金を除けば実際の賃金上昇率は1.6%に過ぎない」として「労組が推定した経営陣の賃金引き上げ幅である37%は間違った数値」と説明した。さらに「ストライキが行われれば全運航便数のうち20~30%の欠航が避けられない」として「労組が運送権を担保に無理な要求をしている」とつけ加えた。

大韓航空の操縦士労組がストライキに入れば2005年12月以降約10年ぶりとなる。当時ストライキで航空便1000便余りが欠航し、2600億ウォンを超える直・間接損失を招いた。大韓航空関係者は「2400人余りの操縦士の平均年俸が約1億4000万ウォンである状況で、労組の要求を聞き入れれば1000億ウォンを超える追加財源が必要だ」と話した。

◆為替レート10ウォン上がれば200億ウォン損失

昨年から始まった明らかなドル高の動きも大韓航空の経営にとっては大きな威嚇要因になっている。大韓航空はオイル類費と整備費、保険費はもちろん航空機の購入費用の大部分をドルで決済している。ドル高が進めばそれだけ借金が増えるほかはない。米国基準の金利引き上げなどの影響で1年前は1ドル=1070ウォン台だった為替レートは今年に入って1ドル=1200ウォンを突破した。

大韓航空関係者は「為替レートが10ウォンのドル高ウォン安になれば200億ウォン程度の損失が発生する構造」と伝えた。

ソン・ジェハクNH投資証券研究員は「新規航空機導入などで大韓航空の外貨表示負債が多いことも実績を悪化させる要因になるだろう」と分析した。昨年7-9月期の大韓航空の外貨純負債は92億ドル(約10兆8000億ウォン)水準だ。為替レートが10ウォン上がれば外貨換算損失が920億ウォン増える。大韓航空は2014年に営業利益3950億ウォンを上げたが外貨換算損失のために純損失4578億ウォンを記録した。