【コラム】TPP参加は韓日中経済統合の機会に(2)

  • 2015年7月8日

◆恐れる理由ない韓日FTA

日本の自動車が流れ込んでくるため韓日FTAに反対するというのは韓国自動車業界の反対論理になるかもしれないが、その間、韓国自動車産業の成長過程で「国内の消費者だけが損」という不満を感じ、疎通することができる政府当局者なら、その保護論理に傾くのは国益を前に出す公人の姿勢ではない。韓国自動車市場はすでに国産車と外国車が激しく競争中で、自動車の国内価格バブルを取り除くためにはより強力な競争が必要だ。消費者の実質所得を増大する政策が、長期低成長局面に入った韓国経済に必要であることは再論の余地がない。しかも最悪の関係に向かう韓日関係をこれ以上放置しないためには、TPPに参加しながら韓日FTAを推進するというのが韓国ができる手段だ。今はもう韓日FTAを恐れる理由はない。

韓国政府が戦略的にTPPに接近するべきもう一つの重要な理由は中国だ。中国を主要2カ国(G2)に引き上げた成長モデルはもう持続可能でない。中国経済は過熱し、飽和状態となった。習近平政権は新常態(ニューノーマル)という新しい発展パラダイムへの変換を始めた。単純組立中心から高付加価値へ、製造業中心からサービス業発展へ、核心技術の自立、環境にやさしい発展への変換を模索している。G1に向かう中国は「世界の工場」ではなく「世界の市場」を目指している。

中国が進もうとする新しい道を開くためには、新たな開放と競争、改革が必要であることを中国政府はよく知っている。サービス開放の実験舞台として上海自由貿易地帯を開き、追加で3カ所を指定した。TPPの初期、中国はTPPを中国を牽制するための術策だと公開的に批判したが、TPPに中国も加入可能という柔軟性、前向きな姿勢に旋回した。中国はASEAN10カ国と韓国、日本、豪州、ニュージーランド、インドが参加する東アジア包括的経済連携(RCEP)を推進しているが、速度は遅く、TPPの代案になるには力不足だ。TPPが妥結すれば、中国はTPP加入交渉の方向に動くと予想される。

◆中国市場開放拡大にも必要

15年かかった中国の世界貿易機関(WTO)参加交渉と比較するほどかは分からないが、この過程で中国はサービス市場の開放を進め、韓中FTAだけでは開放が不足する中国サービス市場をより大きく開放するのは明らかだ。世界8大通商大国の韓日中3カ国間に制度化された経済統合の枠がないというのは、21世紀の東アジアが共存と平和を軸に競争して協力する基盤が脆弱であることを意味する。韓日中FTAが進行中とはいえ、高いレベルの包括的な経済統合を期待しにくい状況で、TPPは確実な韓日中経済統合を引き出せる戦略的空間を提供する。その機会を韓国は逃してはいけない。

チェ・ビョンイル梨花女子大国際大学院教授