<2016年韓国産業展望>内需沈滞、家計・企業負債増加…航空・石油精製除いて経営環境厳しく

  • 2015年12月24日

国内の評価機関が国内産業を悲観的に眺める背景には、世界的な供給過剰と内需沈滞が来年も続くという判断がある。利子費用を支払えない限界企業の増加と家計・企業の負債負担も金融産業全般の財務健全性を悪化させるとみている。

◆リスク高まる免税店事業

韓国信用評価など評価機関と産業銀行は、世界的な供給過剰の余波が造船・鉄鋼・海運に続きディスプレー業種に広がる危険があると評価した。ディスプレー業界最大市場の中国で高仕様パネル製品の需要が増加しているが、中国ライバル企業がこれより速いペースで生産能力を拡大しているからだ。

国内を代表する企業のサムスンディスプレイとLGディスプレイが優れた技術力と生産能力を保有するが、技術格差の縮小によるリスクを排除できないという評価だ。

キム・ヨンゴン韓国信用評価パート長は「来年のディスプレー業況はテレビやスマートフォンなど最終セット製品の需要鈍化、供給過剰による販売価格下落で厳しくなるだろう」とし「特に高付加価値パネル部門での中国との技術格差に注目している」と話した。

ホテル業種の財務健全性もリスクが高まっている。韓国信用評価と韓国企業評価がともに来年の業種見通しを否定的に見ている。中国人観光客をターゲットに免税店事業を強化し、負債が大きく増えたからだ。一方、ホテル部門の収益は停滞し、免税事業者間の競争はますます激しくなっている。ユ・ゴン韓国信用評価パート長は「ホテルロッテ、ホテル新羅、パルナスホテル、新世界造船ホテルともに非友好的な営業環境にある」とし「負債増加速度と免税店の収益性推移に注目している」と述べた。

建設・造船・鉄鋼・海運など伝統的な脆弱業種もさらに悪化する可能性が高く、来年も業況はよくないと評価した。造船企業は海洋プラント部門の大規模な損失が終わらず、鉄鋼価格の下落も続いているという分析だ。今年、住宅分譲景気で一時的に好況となった建設業についても「分譲景気の好調が持続するには構造的な不安要因が大きく、海外事業の問題も残っている」と評価した。

◆航空・石油精製・生保業の見通しは明るく

限界企業の増加と内需沈滞は国内金融産業の安定を脅かす要因にも挙げられた。韓国信用評価は割賦金融と証券業だけでなく、銀行とクレジットカード業も厳しいと予想した。特に銀行業は政府の限界企業構造改革拡大が大きなリスクとして作用すると分析した。家計の負債増加と中小企業の不健全化は割賦金融業界の収益性悪化として表れる可能性が高いと予想した。クレジットカード業界は加盟店手数料率の引き下げ、チェックカード比率の拡大、規制強化などに苦しむという見方を示した。

ただ、金融業種のうち生命保険業は楽観的に評価した。ナイス信用評価のキム・ソンジン研究員は「高齢化と家計資産運用方式の変化で他の金融業より速い成長が続くだろう」と述べた。

航空業と石油精製業もプラスの評価を受けた。航空業は旅客需要の増加と原油安の恩恵を受けると予想した。石油精製も原油安に関係なく従来のマージンを維持しながら安定した実績を出すと見込んだ。