新興国「人民元切り下げ恐怖」

  • 2015年12月14日

中国がまた人民元切り下げに動く可能性が高く、この場合、米国の利上げによる急激な資本流出リスクに直面した新興国は原材料輸出減少と自国通貨の下落に苦しむという見方が提起された。

バンクオブアメリカ(BoA)外国為替戦略家は最近、米マンハッタンで開かれたグローバル経済展望カンファレンスで「世界最大の原材料輸入国の中国が人民元を切り下げれば、輸入価格の上昇で中国内の需要が減り、原材料の価格はさらに落ちる」と予測した。これを受け、豪州とブラジル、カナダなど原材料輸出依存度が高い国の通貨が下落し、これらの国からのドル流出を加速させる要因として作用すると分析した。

国際金融協会(IIF)によると、7-9月期に新興国から外国人ポートフォリオ資金338億ドルが流出した。四半期基準ではグローバル金融危機が発生した2008年10-12月期(1194億ドル)以来7年ぶりの最大水準。ドルの新興国離脱がすでに始まったという分析だ。

新興国の中央銀行は資本流出を防ぐための利上げと景気浮揚のための利下げの間でそれぞれ異なる選択をしている。ブラジルは昨年10月から今年7月まで7回にわたり利上げし、年14.5%に引き上げた。原材料の輸出減少とこれによる景気低迷で自国通貨のレアルが急落したことによる措置だ。

ペルーも今年9月に続き、今月11日にまた金利を0.25%引き上げ、年3.75%となった。これも自国通貨の下落で輸入物価が上昇したことへの対応だった。南アフリカも先月20日、通貨の価値を防御するために金利を年6.25%へと0.25%引き上げした。

一方、ロシアは原油安によるルーブル安でインフレ懸念が強まると、景気の悪化にもかかわらず、最近の3回の通貨政策会議で相次いで金利据え置きを決めた。ニュージーランド中央銀行は9日、金利を年2.50%へと0.25%引き下げた。今年4回目の利下げだ。輸出競争力を高めて景気を浮揚させるためだ。

BoAは中国に対する貿易依存度が大きい韓国と台湾の通貨が下落し、米国市場で中国製品と競争するメキシコも通貨切り下げ圧力に直面するなど、中国が追加で人民元切り下げに動けばその影響が全方向に広がると予想した。