【取材手帳】フォルクスワーゲンに免罪符を与えるところだった韓国環境部

  • 2015年11月27日

環境部は26日、政府世宗(セジョン)庁舎で記者懇談会を開いた。2カ月近くフォルクスワーゲンの排ガス不正操作について調査した後、その内容を発表する場だった。「韓国でも不正操作をした」というのが要旨だった。しかし「問題点を確認できなかった」としてフォルクスワーゲンに免罪符を与える状況も考えられた。

理由はこうだ。9月に米国でフォルクスワーゲンが排出ガスを操作したという事実が明らかになると、環境部は調査を始めた。しかし「ユーロ6基準のフォルクスワーゲンのディーゼル車だけを調べる」と述べた。「米国で問題になったフォルクスワーゲン車に搭載された排ガス浄化装置がユーロ6エンジンに適用されただけにユーロ6車両だけ見ればよい」という説明だった。

これに対し韓国経済新聞は「問題の車がユーロ5基準で生産されたものであるだけにユーロ5車両も調査する必要がある」と指摘した。環境部は当初、微動だにしなかった。しかしフォルクスワーゲンのドイツ本社と韓国法人が「排ガスを操作した車両はすべてユーロ5基準」と認めると、意見を覆した。環境部は10月初めに懇談会を開き、「ユーロ5基準車両も調査対象に含める」と発表した。

環境部はユーロ5基準の2車種とユーロ6基準の5車種をともに調査したが、ユーロ6基準の車両からは問題点を全く探せなかった。唯一、ユーロ5基準のEA189エンジンを搭載したティグアンでのみ排ガス不正操作事実を確認した。この事実一つでティグアンと同じEA189エンジンを搭載した15車種・12万5522台に対してリコール措置を取った。フォルクスワーゲンコリアに141億ウォン(約15億円)の課徴金を科し、国内で販売された他のディーゼル車に調査を拡大することにした。

環境部が最初の考えでユーロ6基準の車両だけを調査していれば、こうした措置を取ることはなかっただろう。世界で初めて「フォルクスワーゲンの車には問題がなかった」と公表するところだった。一歩遅れて考えを変えたのは幸いだが、依然として「軽い処罰」という指摘が少なくない。「不正行為が確認されれば、フォルクスワーゲンを詐欺罪で検察に告発するべきだが、また環境部はフォルクスワーゲンを大目に見るようだ」(ハ・ジョンソン法務法人バルン弁護士)という言葉を十分に考えてみる必要がありそうだ。