<経営計画苦心する韓国企業>銀行「収益増やす隙間さえ見えず」

  • 2015年11月18日

A銀行は最近、銀行長(頭取)の主宰で経営戦略会議を開いた。概略的な来年度の事業計画と経営目標を定めるためだ。だが2時間余りの会議の末に出した結論は「12月にもう一度議論しよう」ということだった。この銀行の戦略担当の副銀行長は「今のような状況では到底、来年の利益目標のような数字を確定しにくいという認識を共有した」と耳打ちした。

銀行も来年の事業計画樹立に苦労している。低金利で大多数の銀行の収益性が急減する中で企業の構造調整まで重なり、貸倒引当金をさらに積まなければならない状況だ。イスラム国(IS)テロの余波で対内外の景気展望が不透明で事業計画や資産運用戦略を立てられずにいる。「あちこちに悪材料ばかりあって好材料は見られない」という哀訴が出てくる理由だ。

収益性の悪化に対する憂慮が最も大きい。韓国内の17銀行の7-9月期の当期純利益は1兆4000億ウォン(約1470億円)で前年同期比15.7%の減少だ。銀行の収益性指標である純利子マージン(NIM)も昨年末の1.73%から今年7-9月期は1.56%と大きく落ちた。10-12月期の収益性は7-9月期よりも悪化する見通しだ。来年には低金利・低収益基調がさらに深刻化するだろうという危機感が広まっている。B銀行の副銀行長は「史上最低値に下がった純利子マージンが来年はさらに減る見通し」としながら「これに加えて金融当局の手数料引き下げの圧迫や低所得階層への金利支援などで銀行の収益性は悪化するほかはない」と話した。

不良与信(融資)の増加も心配事だ。今年、住宅担保の融資が急増した中で来年金利が上がれば家計融資延滞率は沸き上がることになる。

企業構造の調整にともなう不良債権処理も来年耐えられなければならない。金融当局は最近、財務構造が脆弱な1934社の中小企業のうち175社をワークアウト(企業改善作業)または企業再生手続き(法定管理)対象に選んだ。まもなく300社余りの大企業系列会社に対する信用リスク評価も実施して先制的な構造調整に出る予定だ。これに伴い主な銀行は10-12月期にだけ、前年同期よりそれぞれ500億~1000億ウォン増えた貸倒引当金を積まなければならない。