「金融安定」を強調する韓銀…「家計負債・限界企業・ELSの集中管理を」(2)

  • 2015年7月1日

◆全体の15%は限界企業

自力で生き残れず政府の支援などに依存して延命する「限界企業」も金融安定の雷管になっているというのが韓銀の評価だ。韓銀は2014年を基準に3年連続で利子補償比率(利子費用に対する営業利益)が100%未満の企業を限界企業と定義した。限界企業は2009年の2698社(12.8%)から2014年末には3295社(15.2%)に増えた。

限界企業のうち大企業の比率も増加している。全体大企業のうち限界企業比率は2009年の9.3%から2014年には14.8%に急増した。中小企業の限界企業比率(2014年15.3%)と似た水準だ。

限界企業の質も悪化している。限界企業の売上高は2012年から3年連続で減少している。企業収益性の代表的な指標である売上高営業利益率(売上高に対する営業利益の比率)は2009年から2014年までマイナスが続いた。「売るほど損」ということだ。負債比率は増えている。2009年の限界企業の負債比率は213.6%だったが、2014年には222.5%に上がった。一般企業の負債比率が同じ期間に95.1%から79.2%に減少したのとは対照的だ。稼ぎが少なく、支援を受け、負債が増えたためだ。韓銀は「限界企業が増えるほど企業全体の収益性を落とすだけに、積極的な構造改革が必要だ」と指摘した。

◆潜在的投資リスクに対応を

韓銀は超低金利基調のために投資が急増している株価連係証券(ELS)債券型ファンドなど金融投資商品に対しても「潜在的リスクになるおそれがある」と診断した。韓銀が懸念するのは金利上昇だ。ファンドを運用する資産運用会社やELSなどを販売する証券会社は、金融投資商品を販売して受けたお金を社債や公債など債券に投資する。

例えば昨年のELS派生結合証券(DLS)販売金額の57.0%は公債と社債に投資され、買い戻し条件付債券(RP)販売金額はすべて債券に投資された。金利が上がれば債券の価値が落ち、企業の収益性が悪化する可能性がある。債券型ファンドに投資した一般投資家も損失は避けられない。

3月末基準でマネーマーケットファンド(MMF)、ELS、DLS、ファンド、特定金銭信託、RPなど金融投資商品残額は877兆5000億ウォンと、2014年末(808兆9000億ウォン)比で78兆6000億ウォン増えた。市中の流動性に占める割合も2010年以降初めて30%を超えた。家計の2014年基準の金融投資商品比率は6.8%にすぎないが、貯蓄性預金の比率が減り、金融投資商品と保険年金の比率が増えている点を考えると、モニタリングを強化する必要があるというのが韓銀の指摘だ。

韓銀は「金融市場の不確実性が高まれば金融の安定を阻害する要因として作用するおそれがあり、注視しなければいけない」とし「金融投資商品に内在する収益およびリスク要因を正確に把握・管理できる力が必要だ」と分析した。