【社説】中身のない医療韓流、外国人が自ら来ることを願うのか

  • 2015年9月1日

保健福祉部が外国人患者誘致案を出したが、中身がない。「保険会社の外国人患者誘致許容」「遠隔医療を通じた事後サービス提供」などの核心条項がすべて抜けたからだ。福祉部はMERS事態の余波で外国人患者が急減し、発表を急いだというが、むしろ後退した。医療産業のグローバル化を促進するという政府の公言が色あせるほどだ。

福祉部は「保険会社の準備が遅れている」という理由を挙げたが、「保険会社の外国人患者誘致許容」は保険会社および旅行会社が要求し続けてきたことだ。これが許容されこそ外国人患者の診療・宿泊・観光サービスなどを一つにまとめた保険商品を販売でき、外国人患者の誘致に大きく役立つというのが支配的な評価だった。国会に発議されている「国際医療事業支援法案」にこの条項が含まれたのもそのためだった。ところが今になって福祉部は「『外国人患者誘致案』と『保険会社の外国人患者誘致許容』は別の事案」などとあきれる弁解ばかりしている。

福祉部が形式的な医療韓流案を急いで出したのは、国際医療事業支援法案の通過に反対する野党の目を意識した結果と見るしかない。「保険会社の医療市場への影響力が強まる」という野党の根拠のない主張を受け入れたのだ。さらに福祉部は「海外患者遠隔診療」という表現まで抜いた。このような法案を通過させても結果がどうなるかは明白だ。本当に医療改革をするつもりなのか疑わしい。

国内の病院を訪れた外国人患者は2013年21万1218人、2014年26万6501人と、ようやく20万人台に入った水準だ。2013年基準でタイ(250万人)、シンガポール(120万人)、インド(85万人)、マレーシア(77万人)などとは大きな差がある。破格的な医療規制廃止で外国人患者の誘致に拍車を加えるべき理由はまさにここにある。国会や医師協会が反対するからといってすべて除けば何が残るのか。医療改革までが公務員年金改革、労働改革と同じように龍頭蛇尾となる格好だ。外国人患者が自分の足で来ることを願うということなのだろうか。