【取材手帳】「プラント危機」を招いた韓国工学部の現状

  • 2015年8月7日

ソウル大で化工プラントを教えるハン・ジョンフン教授研究室に所属する大学院生は約30人にのぼる。他の研究室の大学院生が普通10人前後であるため3倍ほど多い。プラントを勉強して関連業界に進出することを希望する学生は多いが、これを教える教授は非常に少ないという現実を見せている。

ソウル大化学生物工学部では最近、学部と大学院の卒業者のうちプラント業界に就職する比率が30-40%にのぼる。一方、プラントを専攻した教授は全教授32人のうち2人(6%)にすぎない。工学教育と産業界の人材需要間「ミスマッチング(需給不均衡)」現象は徐々に深刻になっている。

韓国経済新聞は6日、造船および建設業界プラント部門の実績ショックの背景には、工学部でプラント専攻教授が減っている現象があると報じた。これに対し一線の工学部教授は事情を訴えた。ソウルのある私立大工学部長は「論文の実績を中心に教授を選ぶのは激しい大学間の競争で生き残るためにやむを得ない選択」とし「大学がこのような結果を助長しているように見られては困る」と述べた。

論文を基準にした各種国家研究事業や評価などが大学を束縛している状況で、こうした声は十分に納得できる。今はもう根本的な変化が必要な時だ。昨年、政府が「工科大学革新特別委員会」を構成し、各種改革案を出しているが、現場は肌で感じていないようだ。ある大学の関係者は「革新しようと騒いでいるだけで、どんな変化をもたらしているのか全く分からない」と述べた。

枯死危機にあるプラント教育の現実は工学部の危機を見せる氷山の一角にすぎない。プラントだけでなく機械・鉄鋼など韓国の主力産業に関連する他の分野も似た問題に頭を悩ませている点を確認できた。学界では「このままでは韓国工学部の役割は、優秀な大学院生を米国の大学に送る程度になるかもしれない」(イ・ゴンウ・ソウル大工大学長)という懸念まで出ている。

今年6月、韓国の人型ロボット「HUBO」が米国災難ロボットコンテストで1位になった。論文の件数を満たすのに追われて第2、第3のHUBOが誕生するだろうか。