世界1位守るトヨタ、労働柔軟性に注目(2)

  • 2014年12月3日

◆フォルクスワーゲン、自ら人材派遣会社

ドイツは統一後遺症を克服するために「期間制・派遣労働拡大」と「正規職の解雇要件緩和」を軸にしたハルツ改革(2003~2005年)を実施した。

フォルクスワーゲンは政府の方針によって労働柔軟性を高める方向に労使の合意を実現した。新規入社者に低賃金を適用する二重賃金制、シーズン超過勤務をオフシーズン休暇で精算する労働時間口座制などを自律的に導入した。

フォルクスワーゲンは労使の合意で「オートビジョン」という自前の人材派遣会社を設立・運営している。オートビジョン所属の5000人余りの非正規職労働者たちは、賃金が正規職に比べて20%以上低く解雇も正規職に比べて容易だ。このようにして確保した労働柔軟性を基にフォルクスワーゲンは2006年世界4位、2009年には3位に上がってきた。2012年には販売量935万台でGM(929万台)までも追い抜き、昨年まで2年連続で2位を守った。

◆特権放棄し、会社生かしたGM労組

最近注目するほどの変化が、かつての1位だったGMで起きている。米国は「すべての労働者が非正規職」という話があるほど基本的に労働柔軟性が高い。

しかしGMの労働者たちが属している全米自動車労組(UAW)だけは例外だった。2003年までにUAWが各企業と結んだ団体協約には、基本給の自動引き上げ、工場閉鎖の禁止、失業者に6年間の退職前賃金95%まで保全するジョブバンクなど各種の特権を含めていた。過度な労働コストのためにGMは2005~2006年の2年間で累積赤字が130億ドルに迫った。

結局、GMがトヨタに1位を譲り渡した2007年、UAWは二重賃金制の導入に合意し、2009年には基本給の自動引き上げやジョブバンクも放棄した。特権を大胆に放棄した労組のおかげでGMの実績は好転した。破産保護申請をした2009年にグローバル販売量が650万台まで減ったが、昨年は972台まで増えた。