韓経:「核カード」で米国を揺さぶる北朝鮮…韓国では大統領候補らが「戦術核攻防」

  • 2021年8月31日

北朝鮮が7月初めから平安北道寧辺(ヨンビョン)核施設で核兵器原料プルトニウムの生産を再開したとみられると、国際原子力機関(IAEA)が明らかにした。米朝交渉が膠着状態となり、バイデン政権が北朝鮮核問題を優先順位から事実上排除した状況で、北朝鮮が「寧辺カード」を出しながら米国に圧力を加え始めたと分析される。

IAEAは27日に発表した北朝鮮核関連の9月の年次理事会報告書で「2021年7月初めから冷却水の放出を含め、寧辺核施設内の5メガワット原子炉稼働と一致する状況がみられた」と明らかにした。

5メガワット原子炉は北朝鮮の核兵器核心製造施設。ここで出る使用済み核燃料棒を放射化学研究所で再処理すればプルトニウムが抽出される。IAEAは2018年12月から今年7月まで該当原子炉の稼働状況はなかったと説明した。1月のバイデン政権発足以降、IAEAだけでなく、米国のシンクタンクと北朝鮮専門メディアは数回にわたり寧辺核施設再稼働の可能性を示唆してきた。

梨花女子大北朝鮮学科の朴元坤(パク・ウォンゴン)教授は「北が持つカードは『核』『ミサイル』『対南挑発』だが、核実験は状況を完全に変えてしまう」とし「交渉の可能性を残しておきながら米国に圧力を加える数少ないカードとして寧辺再稼働を取り出した」と説明した。

軍出身の申源シク(シン・ウォンシク)国民の力議員(国会国防委員会)も「遅くとも来年には(非核化および制裁緩和)交渉が始まるはずだが、外交的レバレッジを高めるための事前布石」とし「核兵器より5-10倍爆発力が大きい第2世代核弾頭の増幅核爆弾に入る材料(トリチウム)を確保するために原子炉を稼働する可能性もある」と話した。

30日に米ワシントンでソン・キム北朝鮮担当特別代表と会った韓国の魯圭悳(ノ・ギュドク)韓半島平和交渉本部長は寧辺核施設の再稼働について議論したという。ただ、魯本部長は前日、「ひとまず可能ないくつかの分野で北との人道的協力が可能になるようパッケージを作ろうと米国側と協議している」と明らかにした。飲み水や新型コロナ防疫などに関する人道的支援を前に出して対話の突破口を開くという意図と解釈される。

韓国国内では大統領選挙政局を迎えて「戦術核」攻防が続いている。洪準杓(ホン・ジュンピョ)氏、劉承ミン(ユ・スンミン)氏、安相洙(アン・サンス)氏ら野党・国民の力の大統領候補と北朝鮮外交官だった太永浩(テ・ヨンホ)議員が北朝鮮の核挑発を牽制するために韓半島内の米国戦術核兵器再配備(1991年撤収)を主張しているからだ。洪議員は最近、SNSに「ロシアの核ミサイル拡大配備にドイツが核開発の意志を表し、米国に強く抗議した結果、欧州NATO(北大西洋条約機構)5カ国に戦術核が再配備された」と強調した。

与党大統領候補の李在明(イ・ジェミョン)京畿道(キョンギド)知事は「安全保障状況を悪用して票を得ようとする危険なポピュリズム」と非難した。宋永吉(ソン・ヨンギル)共に民主党代表はこの日の党最高委員会議で、「北を事実上の核保有国と認めることはできず、戦術核の導入は北非核化の名分を弱める」とし「また最終核使用決定権が米国にある戦術核が韓半島に配備されれば、実際に韓半島の戦争リスクが高まる」と主張した。