韓経:米国去った「帝国の墓場」アフガニスタン…中国とロシアが影響力拡大に乗り出す

  • 2021年8月18日

米軍撤退などの影響でイスラム原理主義勢力タリバンがアフガニスタンを掌握し中央アジアをめぐる覇権競争が始まった。アフガニスタンはこの数世紀の間に英国と旧ソ連など強大国が「手ぶら」で撤退し、「帝国の墓場」と呼ばれてきたところだ。米国までアフガニスタンを去り、空いた席を中国とロシアが狙っているという分析が出ている。これに対し英国と欧州連合(EU)など西欧諸国は今回の事態に衝撃を受けながらもこれといった対策を見いだせずにいる。

◇中ロ中心の反米同盟できるか

ブリンケン米国務長官は16日、中国、ロシア、インド、パキスタンの外交トップらと相次いで電話会談し、アフガニスタン問題を協議した。ウォール・ストリート・ジャーナルは「アフガニスタンで中国とロシアの影響力が拡大している現実を米国が認めたもの。タリバンが周辺諸国との関係を強化するのに成功すれば米国をはじめとする国際社会のタリバン制裁が無力化されるだろう」と分析した。

中国の王毅外相はこの日ブリンケン長官との電話会談で、「米国が力で解決しようとすれば問題だけさらに大きくなる」としてアフガニスタンでの米国の失敗を指摘した。世界の強大国のうち中国はタリバンと敵対関係でない数少ない国に挙げられる。王外相は先月タリバンのナンバー2人のバラダル師と会っている。この席でイスラム信者が多い新疆ウイグル地域の東トルキスタンイスラム運動(ETIM)と関連し中国とタリバンがある種の合意をしたとの観測が出ている。中国はETIMの勢力拡大を懸念している。

外信は中国が一帯一路プロジェクトの一環としてアフガニスタンの鉱物資源開発を支援しタリバンの「資金源」役割をする可能性も提起している。これに先立ち中国外交部の華春瑩報道官は「タリバンからアフガニスタン再建と発展に中国が参加してほしいという要請を受けており、これを歓迎している」と話した。中国がタリバンを正式に認めることになれば波及力は小さくない見通しだ。

ロシアも自国の外交人材をアフガニスタンに維持すると発表するなどタリバンに手を差し出している。カブロフ大統領特使(アフガニスタン問題担当)はこの日のインタビューで「米国よりもタリバンが交渉可能な相手」と話した。

中国とロシアが主軸になりパキスタンとイランなどが加勢し中央アジア地域で反米戦線が強化される可能性も提起される。パキスタンのカーン首相は「(タリバンが)奴隷の鎖をちぎった」と発言し反米性向を示した。

◇テロと難民問題心配する西欧

これに対し英国とEUなど西欧の首脳らは懸念を吐き出している。タリバン統治下のアフガニスタンが「テロの温床」に転落する可能性があると判断するからだ。イスラムテロ組織アルカイダなどはタリバンの勝利に鼓舞され勢力拡大に出ると予想される。西側諸国はイスラム原理主義者などのテロ問題とともにアフガニスタン難民の大量流入なども懸念している。

ジョンソン英首相はこの日フランスのマクロン大統領と電話で会談し、近くオンラインで主要7カ国(G7)会議を開く意向を明らかにした。英国とフランスは国連安全保障理事会常任理事国の資格でアフガニスタン関連の国連決議案を出す案も検討中だ。

マクロン大統領は「アフガニスタンがテロの聖地になっては困る」とした。ドイツのメルケル首相は「非常に辛い状況」としながら国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と協議していると述べた。18日にはEU内相・外相会議も開く予定だ。

西欧諸国がタリバンを圧迫できる「てこ」は経済制裁と国連安保理決議案程度だ。すでに西欧諸国はタリバンと関連した海外口座を凍結している。しかし中国とロシアがアフガニスタンに積極的に介入するならば西欧諸国の努力は特別な成果を出せない可能性が高い。中国とロシアは国連安保理常任理事国のため決議案に反対意見を出すこともできる。これらがタリバンが掌握したアフガニスタンに経済援助をすれば西欧諸国の制裁効力は弱くなるだろうという観測も出ている。