北朝鮮経済「最悪は抜け出したが」…電力など産業インフラ崩壊し“限界”(2)

  • 2014年12月4日

◆1人当たりの国民所得「638ドル」vs「1800ドル」

事実、北朝鮮経済を正確に把握できる統計は殆どない。

韓銀北朝鮮経済研究室のムン・ソンミン室長は「北朝鮮当局は1960年代中盤以降、国民所得をちゃんと発表しないでいる」とし「間接的に知らされた統計も現実からはかけ離れた国政為替レートと価格に基づいているため信じることはできない」と話した。外部統計機関の推算もそれぞれ異なる。2011年の北朝鮮1人当たりのGDPを国連は638ドル、米国中央情報局(CIA)は1800ドルと発表するなど差が激しい。

一つだけ明らかな点は、一時韓国を先んじた北朝鮮経済規模が世界最下位圏まで落ちたことだ。韓銀が購買力を基準に計算した北朝鮮の1人当たりの国民所得(2011年基準)は1597ドルで、215カ国中26番目に低い。北朝鮮より所得が少ない国のほとんどはアフリカにあり、アジアではネパール(1260ドル)が唯一だった。

北朝鮮国民所得は同じ共産圏である中国の5.6分の1、ベトナムの2分の1水準だ。1990年には北朝鮮1人当たりの国民所得は1482ドルで中国(800ドル)ベトナム(610ドル)より大きく先んじていた。

◆羅津(ナジン)も一日3時間は停電

北朝鮮経済が過去の「良き時代」を再び迎えることができるかどうかについては極めて不透明だ。北朝鮮経済に莫大な影響力を行使する中国の成長の勢いが鈍化したうえ、朝中友好関係も以前とは同じでないためだ。上半期の北朝鮮無煙炭の対中輸出価格は昨年のピークより20~30%も縮小した。

ただし、経済を復興させようとする北朝鮮当局の意志は小さくないと消息筋は伝えた。北朝鮮・カナダ知識協力プログラム(KPP)を率いているカナダUBCのパク・ギョンエ教授は「今年5月に北朝鮮当局からの要請で清津(チョンジン)や漁郎(オラン)などの経済開発区を見学した」とし「観光地や物流開発方向について、真剣に助言を求める現地役人たちの表情が印象的だった」と話した。

だが、崩壊した産業インフラを立て直さない限り、大きな成長は見込めないという診断だ。北朝鮮と交易をしている中国事業家A氏は“経済活動が活発な羅津(ナジン)の場合も一日3時間は電気供給がストップする」とし「電力が必要な企業は各自小型発電機を購入せざるをえない」と伝えた。電力事情は地方都市に行けばはるかに深刻だ。夜に電灯をつけている家がほとんどどないという。

なんとか活気を帯びている民間交易にしてもまだまだ先は遠い。2009年の貨幣改革過程で海外投資家と事業家の信頼を失ったのが大きい負担だ。生産性革新や新たな産業を興す企業群の規模の小ささ、企業家精神の不在も根本的な問題だ。体制保守に血眼になっている当局としては企業家という新たな階層の出現を喜ぶことはできない。さらに、永い腐敗に疲れた社会構造の中に自由と創意を命にする企業家精神が入り込む隙がないと指摘されている。