韓経:実体経済の回復遅いが上昇する物価…韓国、スタグフレーション直面するか

  • 2021年3月23日

韓国と米国の期待インフレ率(今後の消費者物価上昇率見通し)が上昇している。だが景気回復速度は遅く、今年韓国経済が正常軌道に復帰するのは難しいだろうという見通しが支配的だ。これにより景気低迷の中で物価急騰を示すスタグフレーションの懸念が大きくなっている。

韓国銀行が22日に明らかにしたところによると、韓国の2月の期待インフレ率は前月より0.2ポイント上がった2%を記録した。今後1年間に消費者物価上昇率が2%を記録すると予想されるという意味だ。新型コロナウイルス流行前の2019年8月の2%以降で最も高かった。米国の期待インフレ率(BEI)も19日に2.31%を記録し2014年1月9日の2.31%に並んだ。

供給衝撃がインフレの懸念をあおっている。昨年は新型コロナウイルスで工場、油田、鉱山設備投資が減った上に小売り・サービス企業が相次ぎ廃業した。今年に入り製品、原材料、サービス供給に支障が出ている背景だ。ここに新型コロナウイルスに対応するために世界の中央銀行が昨年に入り市中に資金を大挙放出したことも影響を及ぼした。

韓国銀行の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁と米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、「最近のインフレは一時的現象」と一蹴している。だが供給衝撃と市中に放出された流動性が重なりインフレ期待心理は鈍化していない。インフレの懸念が広がり債券金利は上昇している。19日に10年物米国債利回りは年1.73%で昨年1月23日の1.731%に並んだ。米国の金利上昇で韓国の市場金利もともに上がり実体経済を脅かす変数として浮上した。

これに対し実体経済の回復傾向は依然として遅い。景気を総合的に示す景気動向指数循環変動値は1月に99.5で前月より0.2ポイント下落した。昨年5月から8カ月ぶりの下落だ。今年の成長率は3%前後を記録するとみられるが昨年がマイナス1.0%だった点を考慮すれば依然として正常軌道に復帰できないだろうという見通しが支配的だ。

インフレの懸念がスタグフレーションの懸念に変わるのは米シカゴ大学のロバート・ルーカス教授が主張した「合理的期待仮説」が現実化しているためとの分析も出ている。この仮説は、人々があらゆる情報を基に未来を合理的に予測するだけに拡張的通貨政策の実効性がないとみるものだ。中央銀行が市中に流動性を大量に放出すれば物価が上がるという期待が広がることになり、労働者・企業は賃金・製品価格を上げる。これにより物価は上がり、企業は雇用・生産量を減らしてスタグフレーションの流れが定着する。バッテリー、バイオ、インターネット、ゲームのBBIG企業社員を中心に賃金引き上げの流れが続くのもスタグフレーションの懸念を育てる背景になっている。