韓経:「怖くて不安」…「ヘイトクライム」恐怖に包まれた米国韓国人社会

  • 2021年3月19日

「怖くて不安だ」

米国アトランタ一帯で白人男性の銃撃により韓国系の女性4人を含む8人が死亡する惨事が発生し、韓国系米国人社会が衝撃と不安に包まれた。アジア系を狙った「模倣犯罪」が拡散するおそれがあるという懸念が広がった。韓国系米国人のオンラインコミュニティでは、17日(現地時間)一日、「米国で暮らすことが心配だ」「アジア系へのヘイトクライムが増えている」のような不安混じりの言葉が溢れた。

アトランタ警察は射撃事件の翌日に記者会見を開き、ロバート・アーロン・ロング容疑者(21)を殺害容疑で起訴したと発表した。しかし、調査が終わる前に犯行動機が「性中毒」である可能性を示唆し、波紋を呼んだ。

警察は「(調査の過程で)容疑者が人種に関する動機ではなく、性依存症のためだと陳述した」と伝えた。また、「アジア系へのヘイトクライム」の可能性も調査しているが、このような判断を下すのは早計と述べた。性依存症とは、日常生活に支障があるほど性的行為への衝動や強迫観念を感じる精神疾患だ。

事件を捜査するチェロキー郡のジェイ・ベイカー保安官室報道官は記者会見で、「昨日は彼(容疑者)にとってうまくいかない一日だった」と述べた。これに対してシカゴ・トリビューンは、コラムを通じて「ベイカーが容疑者の広報担当者の役割をした」と批判した。人種ヘイトクライムは性依存症のような精神疾患に比べて量刑が増える。このため、容疑者が減刑を目的として「性中毒のため犯行を犯した」というように虚偽の陳述をした可能性があり、警察がこれをそのままメディアに公開したのは問題があるという批判だ。

ロサンゼルス(LA)韓人会は声明で、「容疑者は約1時間にわたり、アジア人が運営する店3軒を狙って銃撃した」とし、「アジア系をターゲットにしたヘイトクライムであることは明らか」と反発した。

さらに、容疑者は犯行前、フェイスブックに「中国が新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)を隠蔽しようとしている」「米国人50万人を(新型コロナで)殺したのは21世紀の主導権を握るための(中国の)計画の一部」という文を投稿した。アトランタの現地韓国系米国人メディアは、容疑者が犯行前に複数のマッサージ店に電話をかけ、「アジア人を全員殺す」と言ったという店の従業員の証言を報告した。実際、今回の惨事の死者8人中6人がアジア系の女性だ。

ニューヨーク警察はこの日、ツイッターに「万が一に備えて、ニューヨーク市でアジア系コミュニティ保護のために(警察の)資産を配備する」と発表した。今回の惨事をきっかけに、アジア系へのヘイトクライムが拡散する可能性に備えて警戒態勢を高めるということだ。

ワシントンポストは、過去1年間、アジア系を狙った人種差別主義の攻撃や脅威が急増したと伝えた。アジア系の人権団体「アジア・太平洋系ヘイトを止めろ」によると、新型コロナが米国に本格的に広がり始めた昨年3月19日から先月まで、アジア人ヘイトクライム事件の申告件数が3795件に及んだ。

シカゴ・トリビューンは「前任の大統領と極右関係者が外国人ヘイトや白人優越主義で武装した支持者に餌を投げ、アジア系米国人を悪魔化したことを鑑みると、これ(アジア人へのヘイトクライム)はミステリーではない」と批判した。バージニア州マクリーンに住む在米同胞は「ドナルド・トランプ前大統領が新型コロナを『中国ウイルス』と呼んだことから、中国人はもちろん、アジア系がターゲットになっているようだ」と述べた。自己救済策として銃を購入するという韓国系米国人もいる。

ジョー・バイデン大統領はこの日、ホワイトハウスで記者団に「アジア系米国人が非常に心配していることを知っている」とし、「アジア系なだめ」に乗り出した。バイデン大統領は容疑者の犯行動機について「連邦捜査局(FBI)と法務省の答えを待っている」とし、「調査が完了すれば、言うべきことがもっと出てくるだろう」と述べた。